Go to contents

カトリック教会の「煉獄略説」、初の韓国版を翻訳出版

カトリック教会の「煉獄略説」、初の韓国版を翻訳出版

Posted June. 23, 2021 08:05,   

Updated June. 23, 2021 08:05

한국어

「煉獄に関する教えを伝えるこの本を、朝鮮カトリック教も有益だと判断して翻訳筆写本を作ったようだ」

韓国学中央研究院(韓中研)のイム・チギュン教授は、「かつて、カトリックでは煉獄を地下世界に存在する恐ろしい空間として教えた」とし、最近出版した「煉獄略説」の現代ハングル翻訳本の意味をこのように明らかにした。旧韓末に伝わったカトリック書籍の筆写本が、現代韓国語に翻訳されたのは初めてだ。韓国文学研究者のイム教授が全般的な翻訳を、韓中研で宗教学を研究するチョ・ヒョンボム教授がカトリック教理関連概念の整理を担当した。

煉獄とは、カトリック教会で死んだ人の魂が生きている間に犯した罪を洗い清めて天国に行くために一時的に留まる場所だ。煉獄略説は、19世紀の中国カトリックの本で、カトリックの煉獄教理を集大成した。中国人イエズス会神父の李問漁(1840~1911)が1871年に上海で書き、大韓帝国末期に韓半島に流入し、ハングルの筆写本が作られた。

本には、煉獄教理の主要な内容と関連した物語が書かれている。例えば、煉獄に留まる魂が天国に行くためには、世の中に残っている信者たちの祈りが必要だ。これと関連して、生前、煉獄にいる霊魂のために祈らず、煉獄から離れられない修道士の物語が盛り込まれている。

精巧なストーリーも目を引く。昇天するにはやや足りない善行を満たすために、死の淵からまたこの世に送られた80歳の老人アン・メビンの物語では、審判を引き受けたミカエル天使がその日の「当直天使」を呼び出す部分が出てくる。イム教授は、「当時、信者に教理を広く知らせるために、興味深い物語を作ったようだ」と説明した。

旧韓末の筆写本は、当時朝鮮人の語文生活を盛り込んでいるという点で国語学的価値もある。著者らは、本の後半部に旧韓末に朝鮮人が使った文章を閲覧できるようにした。イム教授は、「カトリック教理書は、西洋を舞台にすることが多い。煉獄略説は、東洋人信者の物語が盛り込まれた数少ない史料だ」と述べた。


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com