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反発する住宅価格と混乱続く賃貸住宅市場、首都圏の住宅供給が漂流している

反発する住宅価格と混乱続く賃貸住宅市場、首都圏の住宅供給が漂流している

Posted May. 31, 2021 08:19,   

Updated May. 31, 2021 08:19

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政府の首都圏住宅供給対策が漂流している。昨年発表した11の大規模公共宅地のうち地区指定を終えたところは、ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)のドヤ街1カ所に過ぎないことが分かった。LH事態を受け、新規宅地の発表は見合わされ、駅周辺や低層住居地を開発する都心複合開発は、関連法の改正案すら国会の敷居をまたぐことができずにいる。このような状況で、ソウルのマンション価格は売買、チョンセ共に上昇幅が大きくなっている。政府の宅地供給の支障が長期化すれば、不安定な住宅価格が高騰する可能性も少なくないと見なければならない。

政府は昨年、5・6対策と8・4対策を通じて首都圏の公共宅地11カ所で約4万戸を供給すると明らかにした。全部で1000戸以上の大規模な団地である上、ソウル都心または近隣地域なので、住宅価格の安定に役立つものと期待された。しかし、1年が過ぎても、事業推進の第一関門である地区指定を終えた所は、永登浦ドヤ街の1190戸が全ての状態だ。計画物量の3%に過ぎない。

泰陵(テルン)ゴルフ場は1万戸規模で、ソウル最大の公共宅地とされる。政府は、上半期中に地区指定を終える予定だったが、緑地保存などを主張する住民の反対にあい、下半期に延期された。4000戸規模の政府果川(クァチョン)庁舍も似たような状況だ。住民たちは庁舍開発に積極的に反対しなかったという理由で、果川市長に対する住民リコール投票まで推進しているという。

住民説明会や自治体の協議など、事前調整が足りない状況で公共宅地を発表したため、供給に支障が出ることは予見された事態と見なければならない。大韓(テハン)航空が所有しているソウル鐘路区松峴洞(チョンノグ・ソンヒョンドン)の敷地の場合、LHがここを開発する代わりに市有地を提供することにしたが、提供すべき土地も見つけられずにいる。ソウル西部免許試験場などの市有地の開発を巡り、政府とソウル市との協議も遅れている。呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は再開発・再建築などの民間供給に力を注いでおり、公共宅地の供給は後回しにされるという分析も出ている。

首都圏の住宅価格は、政府の相次ぐ供給対策の発表で足踏み状態だったが、先月から反発の兆しを見せている。譲渡所得税重課を避けて贈与や相続する事例が増え、売り物不足現象も現われている。さらに宅地供給まで白紙化となれば、住宅価格の不安は広がらざるを得ない。政府は宅地供給の手続きを急いで進め、住民の説得に積極的に乗り出さなければならない。予期せぬ問題で供給が難しいところがあれば、代替宅地を探すこともできる。ソウル市も、国民住居問題をめぐって政治的損得を計算するという誤解を受けないためには、公共宅地の供給を先送りするよりも、民間供給の活性化と同時に推進することが望ましい。