Go to contents

米「韓国へのワクチン優先支援を議論」、韓国がクアッド協力に応える時だ

米「韓国へのワクチン優先支援を議論」、韓国がクアッド協力に応える時だ

Posted May. 17, 2021 09:06,   

Updated May. 17, 2021 09:48

한국어

ハリス米副大統領が11日、韓国に対する新型コロナウイルスワクチンの支援について、「この問題を進展させるために優先的に議論をする」と述べた。ハリス氏の発言は、21日の韓米首脳会談を控え、韓米が互いの立場を緊密に調整している過程で出たという点で意味が大きい。

こうした中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は14日、ヘインズ国家情報長官(DNI)に会って、「韓米同盟は安保同盟以上の価値を持つ」と述べた。米ホワイトハウスも同日、「文大統領の訪米が、米国と韓国の堅固な同盟と両国の政府と国民、経済の広範囲で深い関係を示すことになるだろう」と強調した。これは、韓米首脳会談で両国が安全保障だけでなく経済、新型コロナウイルスなど様々な懸案で協力を強化するメッセージを出すことを予告する。

特に、米国が「優先的」とまで言って韓国にワクチン支援の可能性を強調したのは大きな変化だ。バイデン大統領は先月、「海外に送るほどワクチンは十分でない」と明らかにし、安保当局は米国・日本・オーストラリア・インドの4ヵ国の協力枠組み「クアッド(Quad)」の参加国と隣国の支援に線を引いた。しかし、今回の韓国の支援要請に背を向けないと明らかにしたのだ。今や両国は後続議論を通じて「ワクチンスワップ」および米国のワクチンの国内委託生産など双方の利益になる具体的な合意点を模索しなければならない。

米国はその代わりに韓国に中国牽制の性格が濃厚なクアッドを拡張した「クアッド・プラス」への参加を求める可能性が高い。米国家安全保障会議(NSC)のケーガン東アジア・東南アジア上級部長は7日、クアッドについて、「安保同盟ではなく、アジア版NATO(北大西洋条約機構)でもない」と強調した。懸案を議論する非軍事的機構なので、即刻参加せよということだ。

政府はこれまでクアッドに曖昧な態度を見せてきたが、同盟の要請をいつまでも無視することはできない。バイデン氏が菅義偉首相に続き対面首脳会談で文大統領に会うのも、積極的な役割をしてほしいという韓国に対する期待からだろう。そのうえ、クアッド内の専門家会議には、ワクチン、気候変動、新技術分野がある。国際社会の一員としての役割、そしてワクチンと半導体協力を考えると、会議の参加をただ先送りすることはできない。中国と北朝鮮の顔色をうかがってためらっていては、米国と同盟を中心に急速に再編される新たな国際秩序から取り残されるほかない。