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2年ぶりに帰ってきた「アルバム巨人」ユン・ホンチョン

2年ぶりに帰ってきた「アルバム巨人」ユン・ホンチョン

Posted March. 23, 2021 08:25,   

Updated March. 23, 2021 08:25

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ピアニストのユン・ホンチョン(39)は、アルバムファンの間では特にホットな名前だ。ユン氏が「William Youn」の名前でリリースするアルバムの一つひとつが世界的なクラシック音楽専門誌から絶賛を浴びた。

29歳だった2011年にシューベルト即興曲集D935などを収録した2枚目のアルバムは、フランスの音楽専門誌「ディアパソン」から5点満点の評価を受けた。高音質専門レーベルのウェムズクラシックで2018年に完成したモーツァルトソナタの全曲アルバムは、「こんなに繊細でありながら内面の深みを持つモーツァルトは聞いたことがない」(グラマーフォン)という賛辞を受けた。昨年、ソニー・ミュージックからの1枚目として発表しシューベルト全集は、「深みのある感情を込めた鍵盤の詩」(BBCミュージックマガジン)と絶賛された。

ユン氏が2年ぶりに祖国のファンの前に立つ。4月16日、ソウル芸術の殿堂IBKチャンバーホールで開かれる独奏会「APsalm of Life=生の讃歌」だ。モーツァルトのロンドK.511,リスト「ダンテを読んで」,ラヴェル「鏡」,シューベルト「ピアノソナタ第21番」という重量感たっぷりの選曲となっている。

ユン氏22日に開かれたオンライン懇談会で「生の讃歌」というタイトルに二つの観点を盛り込んだと話した。

「一つは『鏡』です。昨年のコンサートが50回もキャンセルされ、自分について考える時間が多かったんです。自らの人生を振り返るという意味が込められています」

もう1つは「死」についてだと言った。「モーツァルトのロンド」は友達と別れる時に書いた曲。リストの「ダンテを読んで」はあの世の風景を描いた曲で、シューベルトのピアノソナタ第21番は、シューベルトが死ぬ直前に完成した作品だ。「昨年、世界で多くの人が知人を亡くしました。人生は終わりがあるので現在を意味あるものにしようという作曲家たちのメッセージを届けたいと思いました」。

ユン氏がモーツァルト、ショパン、シューマンとともに一番愛するシューベルトのピアノ曲全集も2023年まで相次いで発売される予定だ。「モーツァルト全集の後に『シューベルトをやりたいな』と思っていたところ、私のコンサートをソニーミュージックの社長が見に来てくれたんです。『シューベルト全集の収録してみるのはどうだろうか』とおっしゃったので不思議な気持ちでした」。

録音はホテルで使われるドイツのアルプスにあるエルマウ城で行った。「レコーディング期間はだいたい古い教会のようなところに滞在しながら孤立した感じになりがちだが、今回はホテル全体をレコーディングチームに開放してもらって、シェフまで来ました。良いコンディションで録音しました。ははは」。

ユン氏は今月26日から28日まで統営(トンヨン)国際音楽祭で開かれるキム・ジュウォンの舞踊劇『ディア・ルナ』にも出演する。「キム・ジュウォン先生が『月』というテーマを描写し、ピアノを演奏する私と一つの自我を表現するんです。初めての挑戦なので、直接お会いして合わせるコラボを凄く楽しみにしています」。

4月16日のコンサートは、4万~6万ウォン。02-737-0708


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com