Go to contents

「愛は、365の日々で」原作者、「私の小説は現代版『美女と野獣』」

「愛は、365の日々で」原作者、「私の小説は現代版『美女と野獣』」

Posted March. 22, 2021 08:26,   

Updated March. 22, 2021 08:26

한국어

「私の小説は現代版『美女と野獣』です。この童話の主人公のベルを嫌う人がいますか」

この1年間、話題作であり問題作だった映画「愛は、365の日々で」の原作小説のポーランド人作家ブランカ・リピンスカ氏(35)の返事は簡明だった。リピンスカ氏は、「愛は、365の日々で」をめぐる論議について、「大人は現実と小説を分けて考えることを知らなければならない」と話した。先月、タサンブックスで「愛は、365の日々で」の韓国語翻訳版が出版され、リピンスカ氏に書面で会った。

「愛は、365の日々で」は、マフィアのボスのマッシモが、シチリアを旅行していたラウラを誘拐し、365日という期限内で、自らの意志で彼を恋するよう言い渡す。ラウラは突然の状況に当惑するが、次第にマッシモに惹かれ、自分の感情をストレートに表現するようになる。この小説は2019年にポーランドだけで150万部売れ、リピンスカ氏はベストセラー作家になった。ストリーミングサービス集計サイト「FlixPatrol」によると、映画「愛は、365の日々で」は昨年、ネットフリックスの映画で世界で最も多く視聴されたコンテンツ。ネットフリックスは、視聴率累積データを公開していない。 

「私が読んだ多くの小説には『悪いラブシーン』が本当に多かった。それで『良いラブシーン』を盛り込んだ小説を書くことにし、かなりうまくできたと考える」

小説「愛は、365の日々で」の人気の要因は、女性の性的ファンタジーに忠実な叙述方式にあった。作家は、率直で堂々としたラウラという人物を前面に出し、女性のキャラクターの欲望を生き生きと簡潔に表現した。リピンスカ氏は、「恋人との別れがこの小説を執筆することになったきっかけだ。傷ついた心を癒すために書いた小説なので、女性的な性的幻想をより忠実に反映することができた」と説明した。

しかし、誘拐や監禁など犯罪行為を小説の要素に扱ったことは批判を受けた。ラウラをめぐる話を「主体的欲望の表出」と「犯罪の美化」のうちどちらで読むのか、読者の評価も交錯する。

特に、小説が映画化され、ラウラの感情変化の過程が可能性をもって演出されなかったという指摘が多かった。このため、「ラウラという女性の欲望を代弁するどころか、性犯罪の被害女性に害を与える人物」と批判された。映画がネットフリックスに公開されると、一部利用者がサービス中止を求めたりもした。TikTokでは、映画の暴力性を問題視しようと、アザや血だらけの扮装をした写真を投稿する「#365dayschallenge」(365日チャレンジ)運動が展開された。

このような論議に対してリピンスカ氏は、「犯罪行為が登場する多くの映画がエンターテインメントとして受け止められている」と強調した。そして、「ストーリーやキャラクターが映画で完全に表現されなかったが、精魂込めて書いたラブシーンだけは美しく表現されたと考える」と付け加えた。

小説「愛は、365の日々で」は「Ten Dzien (This Day)」、「Kolejne 365 DNI (Another 365 Days)」という題名の3部作。ポーランドではすべて出版されたが、韓国は1部、英米圏は2部まで出版されている。リピンスカ氏は、「2人の愛情を説明するのに犯罪行為を引き入れた理由を3部まで全て読んだ読者は理解するだろう」と語った。


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com