ドイツとフランスがアストラゼネカ接種再開、北欧３国は「検討」

欧州連合（ＥＵ）の専門機関、欧州医薬品庁（ＥＭＡ）が１８日（現地時間）、血栓論議に包まれた英製薬会社アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンを「安全で有効」と評価した。これを受け、ドイツ、フランス、イタリアなど欧州の主要国も１９日からアストラゼネカのワクチン接種を再開した。しかし、スウェーデンなど一部の国家は依然として接種再開を留保しており、血栓ができる事例も次々に報告されるなど、当分の間、混乱が続くものとみられる。

フランスのカステックス首相は１８日、記者会見で、「１９日午後からアストラゼネカワクチンの接種を始める。マクロン大統領と私もワクチンを接種する」と明らかにした。イタリアのマリオ・ドラギ首相、ドイツのイェンス・シュパーン保健相も、「１９日の接種再開」を明らかにした。オランダとスペインも、それぞれ２２日、２４日からアストラゼネカワクチンの接種を再開することを決めた。スロベニア、リトアニア、ラトビアなども接種を開始する。

しかし、スウェーデン、ノルウェー、デンマークは、「我が国の事例とＥＭＡの発表内容を検討し、来週にワクチン接種を再開するかどうかを決める」とし、留保する構えだ。ＥＭＡが血栓の安全性を１００％保障できないことと関係があるとみられる。ＥＭＡのエマー・クック長官は１８日、「血栓とアストラゼネカワクチン接種の関連性を完全には排除できない。観察・研究を続ける」と述べた。

スウェーデン保健当局は１９日、「基礎疾患がなく健康だった女性がアストラゼネカのワクチンを接種した１週間後に動脈と静脈に血栓ができ、大出血により死亡した」と明らかにした。ドイツでも１５日から現在までワクチン接種者６人に血栓の副作用が発見された。彼らは脳の血液を心臓に運ぶ脳静脈に血栓が発生する「大脳静脈血栓症」や血小板が不足した状態で脳出血が発生した。ドイツ全体の血栓副作用発生者も１３人に増えた。年齢層は２０代から６０代まで幅広く、このうち３人が死亡したと、ドイチェ・ヴェレは伝えた。

スペイン政府も１６日、アストラゼネカのワクチンを接種した４３歳の女性が血栓による脳出血で死亡したと明らかにした。イタリアのウイルス専門家のロベルト・ブリオーニ氏は、米紙ニューヨーク・タイムズに、「欧州各国がワクチン接種の中断と再開を繰り返し、アストラゼネカワクチンを越えて各国の保健当局に対する信頼が大きく傷ついた」と懸念を示した。


金潤鍾 zozo@donga.com