Go to contents

ヒット曲がなくてもこつこつと…月収数百万ウォンの「インディーズ中間層」が人気

ヒット曲がなくてもこつこつと…月収数百万ウォンの「インディーズ中間層」が人気

Posted February. 24, 2021 08:13,   

Updated February. 24, 2021 08:13

한국어

「光復(クァンボク=日本植民地支配からの独立)以降、これまで大衆歌手は『国民的ヒット曲』がなければ短命するのが公式でした。1、2個のヒット曲だけを繰り返して活動を続けたりもしました。もうだめです。新作で持続的に収益を上げる専業ミュージシャンが増えています」。インディーズ流通会社ポクラノスのキム・ホジュン総括部長の言葉だ。

韓国音楽界に「インディーズ中間層」が浮上している。インディーズ中間層とは、大体デジタル音源の販売収益で月200万ウォン以上を稼ぐ人たちを指す。著作権料まで合わせると、月300万ウォン以上、多くは1000万ウォンまで稼ぐこともある。これまで歌謡界では見られなかった、音源市場の「アルファ世代」だ。

中間層という名称は、中堅のキャリアや中間程度の認知度を示してはいない。デュオ「ナイトオフ」、グループ「ウィア・ザ・ナイト」など少なからぬファンダムを持つチームもあるが、キョル、イ・ガンスン、ジミー・ブラウンのように一般大衆はもちろん、音楽ファンにも馴染みのない人も多数だ。キム総括部長は、「有名ではないが、良い音楽で少なくない収益を上げている人々が最近爆発的に増えている」と話した。

インディーズ中間層が増えたのは、音楽鑑賞形態の変化が功を奏した。この2、3年間、国内音源消費は、人気チャート中心主義から早いテンポで脱却した。2、3時間ものユーチューブのプレイリストをラジオのように流して聞く人が大きく増えた。「静かなカフェ音楽」「センシティブなインディー音楽」などの再生リストが人気となり、その収益精算システムもガラス張りになっている。雰囲気が良く穏やかな曲3、4曲が、数万〜数十万購読者のユーチューブチャンネルで紹介されれば、引き続き音源収益が精算され通帳に入る。

制作費の少ないインディーズ音楽の特性も有利だ。アイドル歌手のアルバム制作費は1枚当たり数億ウォンに達するとすれば、インディーズ音楽は1曲当たり多くても200万ウォン以下の場合が多数となっている。損益分岐点を越えやすい。インディーズ中間層は、テレビやラジオ出演にこだわらない。所属事務所がない代わりに、個人インスタグラムのアカウントで新曲をPRし、たまにユーチューブコンテンツに出演するやり方で活動している。このようなDIY型ミュージシャンの場合、15%前後の音源流通手数料を差し引いた後、残った大半の収益を自分の懐に入れることができる。

インディーズ中間層は、今後さらに増える可能性が高い。ユーチューブだけでなく、数百万人の加入者を抱えている伝統的音源フラットフォームも、軒並みプレイリスト機能を強化しているからだ。個人別オーダーメイド型推薦やプレイリスト機能で、音源市場を先導したグローバル企業のスポーティパイも最近、韓国に進出した。スポーティパイは、22日(現地時間)に開催したグローバルオンラインイベント「ストリームオン」で、アーティストの自己広報・収益化機能をさらに強化すると明らかにした。セルフ広報・マーケティングツール「Marquee」をはじめとするアーティスト向けサービスを拡大するという。

ウヒョ、ユラなどが所属するインディーズ制作会社「文化人」のチェ・ウォンミン代表は、「能力と魅力を持ったミュージシャンが運や機会の問題であきらめず、自分の音楽を守り続けていく可能性が増えている」と話した。


イム・ヒユン記者 imi@donga.com