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国情院の査察疑惑究明は「選挙介入」の疑いを避けるためにも補欠選挙後に

国情院の査察疑惑究明は「選挙介入」の疑いを避けるためにも補欠選挙後に

Posted February. 18, 2021 08:16,   

Updated February. 18, 2021 08:16

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国家情報院は16日、国会情報委員会で、李明博(イ・ミョンバク)政権当時、国家情報院が国会議員など各界要人約1千人の動向を把握した文書の存在を確認した。朴智元(パク・チウォン)国家情報院長は、「職務範囲を逸脱した不法情報」とし、情報委の議決があれば、非公開で文書報告を検討すると明らかにした。与党「共に民主党」は文書公開を求める特別決議案を発議し、野党「国民の力」は国家情報院の設立後の不法査察全般を調べようと特別法の制定を主張した。

 

国家情報院が主要人物に対して不法査察をしたことが事実なら、見過ごせないことだ。過去のことだからと不正と違法行為を見て見ぬふりをすることができないためだ。しかし、与党が現時点でこの問題を集中的に取り上げることは釈然としない点が多い。

 

国家情報院の査察疑惑は、情報機関の長年の「黒い歴史」だ。現政権になって国家情報院の国内情報収集が法的に禁止されたが、以前には政治家や有力要人の動向情報を慣行的に収集した。しかも、文在寅(ムン・ジェイン)政権は発足直後から積弊清算を大義名分に掲げ、以前の政権の国家情報院の活動全般を暴いた。国家情報院改革発展委は、国家情報院の敏感な活動の内訳があるメインサーバーの隅々まで探し、過去の政権の国家情報院長に法的な責任を負わせようとした。過去の時点で十分に問題提起できた内容を今になって持ち出した意図を問わざるを得ない。

国家情報院は情報委報告で、「文書には適法、違法の国家機密や個人情報が全て含まれている」と明らかにした。文書の内容の違法の有無を判断することが容易ではないということだ。そのため、査察疑惑の究明よりも、与野党間の政治攻防に流れる可能性が高いとみられる。状況はすでにそのような方向に流れている。

 

17日、与党議員は一斉にメディアのインタビューなどを通じて、問題を大きくしようとした。国会情報委民主党幹事の金炳基(キム・ビョンギ)議員はTBSラジオで、「朴槿恵(パク・クンへ)政府でも不法査察が行われたと見ることが論理にかなっている」と述べた。同党の金民錫(キム・ミンソク)議員はYTNラジオで同様の主張をし、姜勲植(カン・フンシク)議員はCBSラジオで、当時の大統領府の関連疑惑を提起した。

 

それゆえ、与党の政治攻勢が50日も残っていない4月7日のソウル・釜山(プサン)市長補欠選挙を意識したのではないかという疑念が大きくなっている。特に「国民の力」の釜山市長候補予備選に出馬した朴亨ジュン(パク・ヒョンジュン)候補は、李明博政権時代、大統領府政務首席秘書官だった。与党がいくら純粋な意図だと主張しても、問題を提起した時期が釈然としなければ、選挙介入論議を避けることはできないだろう。与野党が本当に国家情報院の過去の歴史を整理するというのなら、査察疑惑の究明は補欠選挙後に先送りしなければならない。それでも遅くないだろう。