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支持層だけを意識して国民統合に物足りなさを残した文大統領の新年会見

支持層だけを意識して国民統合に物足りなさを残した文大統領の新年会見

Posted January. 19, 2021 08:08,   

Updated January. 19, 2021 08:08

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日、新年の記者会見で、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・グンヘ)元大統領の赦免問題について、「今は赦免を話す時ではない」と話した。与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナクヨン)代表が今年初めに提起して以降、政界の争点として浮上した赦免問題について、決定権者である文大統領が直接一線を引いたのだ。

文大統領は、「いつか適切な時期になれば、さらに深く考えなければならない時が来るだろう」と余地を残しつつも、「大前提は国民の共感が形成されなければならないことだ」と述べた。2019年5月の国民対談では、「裁判が確定していない」と強調し、刑が確定すると、国民の共感を形成することを条件に掲げた。国民の共感が形成されたことを、いつ、誰がどのような方式で判断できるのか疑問だ。

赦免は、国民統合と国格のレベルで、また不幸な一時代を終えて未来に進まなければならないという点で、大統領が支持層の反対を押し切ってでも政治的に決断しなければならない問題だ。4月のソウル・釜山(プサン)市長補欠選挙や来年3月の大統領選挙の得失レベルを超えて決断しなければならない事案だ。

民主党が所属団体長たちのセクハラ事件による補欠選挙に、「無公認」原則が盛り込まれた党憲まで変えて公認することにしたことについて、文大統領は、「憲法が固定不変ではないように、党憲も固定不変ではない」と擁護した。窮屈な形式論理だ。この規定は、文大統領が2015年、党代表時代に政治革新の一環として作ったものだ。誰よりも文大統領が、与党の政略的決定を厳しく指摘しなければならなかった。

政治問題に対する文大統領の発言は、全般的に国民全体よりは支持層に向けられたものと評価される。「尹錫悦(ユン・ソクヨル)総長は、文在寅政府の検察総長だ」「(監査院の原発監査は)政治的目的の監査だと思わない」など、レームダックの遮断に対する苦悩の一端をのぞかせたが、二つの機関長に対する与党の絶え間ない攻撃に対する指摘がなかったという点は残念だ。

文大統領は、不通論議について「どの大統領よりも現場訪問が多かった」と抗弁した。しかし養子縁組による児童虐待問題に触れ、「養子縁組を取り消すとか養子縁組に関わる児童を変えるとか、そういった対策も必要だ」と述べ、多くの人々を驚かせた。大統領が健全な常識とはかけ離れた話をするということ自体が、これまでの疎通が不十分だったという点の反証だ。文大統領は残る政権の間でも、側近やコア支持層とだけ疎通しようとせず、反対意見を含む幅広い意見を聞いて、国政の幅を拡大しなければならない。