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通仁画廊で「諧謔の風景」版画展、多彩な技法の版画が一堂に

通仁画廊で「諧謔の風景」版画展、多彩な技法の版画が一堂に

Posted January. 19, 2021 07:59,   

Updated January. 19, 2021 07:59

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美術に親しくない人に版画のイメージは制限的だ。小学校の美術の時間、彫刻刀で硬い木版に苦労して絵を刻み、手を怪我したことを思い出す人もいるだろう。2月7日までソウル鍾路区(チョンロく)の通仁(トンイン)画廊で開催される「諧謔の風景」展は、「思ったとおりに多彩に表現することが難しい」と考えられた版画に対する視野を広げてくれる展示だ。

40年近く木版画に打ち込んできた版画家カン・ヘンボク氏の「華厳」は、版画の技法を利用した立体設置の連作だ。いくつかの模様の木版を無作為に刷りとった紙を再び非定型に裁断し、乱雑に重ねて糸で縫って固定した。カン氏は、「重ね合わせることは、毎瞬間の縁によって変わる。偶然と必然の出会いが交わり、造形で完成されるようにした」と話した。

版画家のイ・オンジョン、チョン・スンウォン氏は、現実世界から持ってきた様々な対象を軽快なイメージで組み合わせたシルクスクリーンと木版画を披露した。イ氏の「シティ江南(カンナム)」、「シティ天安(チョンアン)」は伝統的な建築物と現代式のビルが混在した中、屋根裏部屋、屋上駐車場、記念造形物が加わった韓国の閑静な都市風景を眺望させる。ドイツで学んだチョン氏は、ビール醸造場、公園などを背景に日常の余裕を満喫する人々の姿を大きなワンカットの漫画のように表現した。

ミン・ギョンア氏は、現実と仮想、真実と偽り、正直と偽善をキーワードに、アジアと欧米の現在と過去イメージを混ぜて新しいストーリーを作り出す。丸い鼻ちょうちんができたピノキオの鼻を持つ人物の後頭部を描いたリノリウム版画には、「もう何もないと帰ろうとする時」という興味深い題名を付けられた。

韓国の木版画を代表する人物として広く認められるキム・サング氏、記憶の中人物のイメージを抽象的に表現するキム・ヒジン氏、水性木版のイメージを楮紙(こうぞがみ)に刷りとるホン・スンヘ氏も新作で参加した。

イ・ゲソン館長は、「新型コロナウイルスの感染拡大で萎縮した観覧客の日常に、展示がわずかな気分転換の触媒として作用するといい」と話した。月曜日休館。


孫宅均 sohn@donga.com