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差別論争のミナリのように…ハリウッド、アジア系の偏見から脱せず

差別論争のミナリのように…ハリウッド、アジア系の偏見から脱せず

Posted January. 14, 2021 09:10,   

Updated January. 14, 2021 09:10

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ハリウッドの作品に黒人俳優が登場することは珍しくないが、依然としてアジア系の俳優が登場するケースは多くない。アジア系の俳優が出てきても、平面的な人物として表現されたり、米国で制作されたにも関わらず、海外映画に分類されることもある。

1980年代にアメリカンドリームを追って移住した韓国人家庭の物語を扱った映画「ミナリ」が、今年のゴールデングローブで作品賞ではなく外国語映画賞にノミネートされたことが代表的だ。この作品は、韓国系米国人のリー・アイザック・チョン監督(チョン・イサック)が自伝的経験をもとに作った映画だ。制作会社は、ブラッド・ピットが共同代表である「プランB」だ。にもかかわらず、規定上、台詞の50%以上が英語ではないとして、「外国語映画」に分類されたのだ。

しかし、クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」(2009年)は、台詞の英語の割合が30%ほどであるにもかかわらず、ゴールデングローブの作品賞にノミネートされた。監督や俳優が白人ではないからといって基準が変わるのは人種差別だという批判が出てくる理由でもある。2019年は、中国系米国人のルル・ワン監督が中国系移民家族の物語を扱った映画「フェアウェル」も、ゴールデングローブ外国語映画賞にノミネートされたことがある。

アジア人が登場しても、東洋に対する西洋の見方が現れる「オリエンタリズム」が溶け込んでいる映画「シリアスマン」(2010年)で、韓国人は落第点のF単位の修正を要求するなど、韓国人はがり勉と表現されたりする。映画「クレイジーリッチアジアン」(2018年)のように、お金しかない金持ちと表現されることもある。この作品は、白人が主流の西洋圏では「想像を絶する東洋人大金持ちの物語」として新鮮に受け止められていたが、東洋圏では「見え透いたシンデレラ物語」として受け止められ興行に失敗した。

ハリウッドでアジア人が疎外される流れを変えるためには、映画制作陣にアジア人が含まれなければならないという指摘が出ている。黒人やメキシコ人の制作者らがハリウッド作品を作ったことで偏見を克服したように、制作する人たちが差別を無くすことができるという。映画評論家のチョン・ジウク氏は、「映画『パラサイト』を機に、ハリウッドで韓国に対する関心が高くなった」とし、「制作システムに韓国人が含まれれば、ハリウッド映画でも韓国人を多様な方式で表現するようになるだろう」と話した。


イ・ホジェ記者 hoho@donga.com