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それでも人生は続く

Posted January. 01, 2021 09:04,   

Updated January. 01, 2021 09:04

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インターネットで講義を行ったこの1年が過ぎた。大学では、「ズーム」を通じたオンライン講義が慣れた方法として定着し、学問的な面でも、今では「ズーム」を通して国内外の学者と自然に交流している。飛行機に乗らなくても世界各地の学者に楽な時間に会うことができる。

とある学生が、「私たちはズームを通して友達と一緒にお酒も飲みます。面白い」と話す。私もまた遠くの地方の同級生たちと、画像で久々に一杯飲んだ。コンピューターモニターの前で、お酒一杯を置いて笑い、おしゃべりする風景を誰が想像したのだろうか。

日常的にやってきた慣性から脱すると、最初は不慣れで不便なものだ。しかし、おまけに新しい楽しさを発見したり、可能性を探したりする。このような変化に対して、常に扉を開けておかなければならない。その変化に柔軟でなければならない。「一度やってみようか、まぁ!」という気持ちや好奇心という開かれた心、こんな前向きな心が私たちを新しい世界に導くのだ。

昨年は新型コロナウイルスで全地球が止まっていたように見えるが、科学界は氷の下の川のように悠々と流れていた。地球の挑戦は宇宙に向かった。

イーロン・マスクのスペースXは、民間有人宇宙船「クルードラゴン」を打ち上げ、国際宇宙ステーションとのドッキングに成功し、さらに火星に有人宇宙船を打ち上げるプロジェクトも進めている。今や火星に宇宙船を着陸させる段階になっている。米国、欧州連合、ロシア、インドだけでなく、中国、アラブ首長国連邦も火星探査に活発に挑戦している。近いうちに火星は、地球に一番近い惑星になるだろう。小惑星「リュウグウ」に着陸した日本の探査船は、表面ではなく深層土壌を採取して地球に持ってきており、小惑星「ベンヌ」に着陸した米国の探査船も、土壌を採取して地球に向かってきている。中国は月の土壌を採取し、地球に戻ってきた。これは、旧ソ連に続き2度目だ。私たちは、このような宇宙惑星の研究で太陽系形成の秘密に近づいている。

生きていくのも大変なのに、どうして宇宙研究に投資しなければならないのかという質問を投げかけることもできる。しかし、今私たちがこれほどまでに享受しているのは、不足していた時代、未来を見て基礎科学に投資した結果だ。半導体、バッテリー、ディスプレイ、自動車など。科学の発展は一朝一夕には成し遂げられない。コロナワクチンの開発も同様だ。先進国の例からも確認できるように、基礎科学への持続的な投資が後押しされてこそ可能なことだ。今、韓国が、先進国の宇宙開発研究に無関心でいてはならないのも、このような理由からだ。

地球上のすべての人々に与えられた時間は、あくまでも同じ時間だ。相対的に遅くとも早くとも感じられるが、1分は1分で、1時間は1時間だ。どれほど大切な時間なのか。厳しい時期ではあるが、未来のための基礎科学に時間を投資しなければならないことが何よりも重要だと書き留めてみる。新年の朝だ。