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「オタク」になったきっかけ? DNAに刻まれて生まれたんですよ

「オタク」になったきっかけ? DNAに刻まれて生まれたんですよ

Posted December. 24, 2020 08:10,   

Updated December. 24, 2020 08:10

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最近、韓国内で翻訳出版された『レコスケくん』(本秀康著、ハン・ギョンシク訳、アンナプルナ)は、レコード『オタク』の非凡な日常とロマンをコミカルに描いたマンガだ。原著者、発行人、企画者、訳者すべてが特急「L字(盤患者)」で構成されたドリームチーム。その中に編集者のチョン・チョル氏(44)もいる。

ウェブショッピングプラットフォーム「ソーシャルビーン」のサービス企画室長であるチョン氏はレコードマニアだ。詳細に入ると、実験的で敍事的な音楽である「プログレッシブロック」ジャンルに通達している。「オタク」になったきっかけを尋ねると、「断固」とした答えが返ってくる。

「オタクにはなりません。生まれます。DNAに刻まれて出てきます」

切手、消しゴム、メモ用紙を収集してアルバムに辿り着いたのは中学2年生の時、ポップに入門してヘビーメタルとプログレッシブロックにはまった。大学卒業後、ネイバー、ダウムでウェブ辞書を作った。「検索・辞書を飲み込む」などの辞書関連書籍だけで4冊書き、2017年は「プログレッシブロック名盤ガイドブック」を共著した。

約1万枚のアルバムを所蔵している。そのうちの半分以上がプログレッシブ・ロックのアルバムだ。1人で出版社「ビンソジェ」を設立して、「百一新論」などの日本史古典叢書も出版している。

――辞書専門家だけど、アルバムの整理も辞書のようにしているの?

「細部のジャンルによって、LPアルバムを縦の列に区分して整理して(い)る。ここのラックを見てよ。ABC順だけど、ここの1段目はイタリア、2段目はフランス、3段目はドイツ、4段目は北欧、5行目は英国の音楽家。アルバムが追加されても、下の欄を押さえながらだから、整理しやすいんだ」。

――番大切なアルバムは?

「バンドのメンバーから直接買ったものだ。こっちの市場が小さくなったから、最近のチームは素晴らしい曲を作ってもスター意識がなく謙遜している。メンバーたちにフェイスブックのメッセージや電子メールを送れば喜ぶし。『アネクドテン』(スウェーデン)、『ペンドラゴン』(英国)、鬼怒無月(日本)とも交流している。農産物を直接取引するかのように、彼らから購入すればサインまでして宅配で送ってくれる。後援者になった気分もして、とてもいい」。

-主にどこでアルバムを買うの?

「国内ではソウル麻浦区(マポグ)のキムパプ(のり巻き)レコード、ドプレコード、メタボックス、イッツポップ…。通い詰めていれば、『他のオタク』たちとも自然に会う。『オタク』にも社交性、愛想が必要だ。自家発電だけでは限界が明確だ。私はネイバー在職時に『知識人』サービスに関わったことがあるじゃないか。いつもどんな分野でも回答者より質問者がもっと貴重だ。言い換えれば、丁寧に質問さえすれば、答えられる人はいくらでもいる」

――1970年代の音楽に止まったマニアたちに、後世代のプログレッシブロックバンドを薦めるとしたら?

「まずポーキュパイン・ツリー(英国)だ。1990年代以後、この分野を席巻した、最もピンク・フロイドに近いバンドだ。音を引き出して空間に押し込んで浮遊する感じを与える。次はオ-ペス(スウェーデン)だ。初期にブラックメタルを取り払ってプログレッシブに来た最近のアルバムから逆の順に聞いてほしい。そして、ウォブラー(ノルウェー)。哀愁に満ちた復古的サウンドが特徴のシンフォニック・ロックだ。メロトロンを特によく使うんだ」

――「レコスケくん」主人公のマニアパワーはどれくらいか。

「編集しながらひどい目に遭った。主人公たちの会話は、碩学対談と大差ない。1970年代末に日本で少しだけ発売された特殊競馬ゲーム用LP盤、ビートルズの歌『Yellow Submarine』の音頭(音頭と提唱をする日本特有の声楽曲形式)バージョンなど、日本現代文化史の脈絡を探して解説するのに苦労したよ」


イム・ヒユン記者 imi@donga.com