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トランプ氏参謀の「エクソダス」、短い権力の苦々しい後ろ姿

トランプ氏参謀の「エクソダス」、短い権力の苦々しい後ろ姿

Posted December. 07, 2020 08:40,   

Updated December. 07, 2020 08:40

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米ホワイトハウスのアリサ・ファラー広報部長の辞任は、先週ワシントンで注目されたニュースだった。ファラー氏は、ペンス副大統領の報道官、国防総省報道官などを歴任し、3年以上トランプ政権のメッセージを発信してきた主要参謀の1人だ。そのファラー氏の辞任は、いわゆるホワイトハウスの「エクソダス」が本格的に始まる信号と受け止められた。

ファラー氏は、政治と国防分野のコンサルティング会社を設立する計画だという。ファラー氏は辞任の際、「これまでしてきたことを大変誇らしく思う」と述べたが、来年1月20日の公式の権力交代まで6週間残された状況で辞表を出したことから、本心から出た言葉とは聞こえない。しかも、ファラー氏が仕えてきたトランプ大統領がまだ大統領選の敗北を認めていない状況だ。

ホワイトハウスの新型コロナウイルスのタスクフォースで活動してきたスコット・アトラス特別顧問も、ほぼ同時期にトランプ氏に辞意を示した。アトラス氏は、医師であるにもかかわらずマスク着用の重要性を過小評価し、学校の閉鎖について「ヒステリー」と発言した親トランプ要人だった。国防総省では、先月のマーク・エスパー国防長官の解任後、政策担当次官、情報担当次官など高官が相次いで辞任した。

 

「主要参謀は最後まで残るべきではないのか」という記者の質問に、ある当局者は「どうせ1ヵ月ほど経てば失業者になる。1日でも早く大統領と距離を置いて新しい職探しをしている」と話した。ホワイトハウスに派遣勤務中の別の省庁当局者も同様の話をした。トランプ氏がまだ大統領選勝利を主張しており、大っぴらに出て行く準備をすることは難しいが、皆水面下で次の職探しをしているという。同当局者は、「省庁から派遣された公務員は戻る場所があるが、政務職の人々は失業者になる」とし、「落ち着かないムードだ」と伝えた。皆が同じ境遇なので、「裏切り」と非難することもできないという。

ホワイトハウスの人々の脱出が相次ぎ、ウェストウイングは速いスピードで人がいなくなるだろう。ただでさえ混乱したトランプ政権のレイムダックも加速するだろう。しかし、生計がかかった彼らにとっては関係ないことだ。生存競争はすでに始まっている。彼らが狙う場所は、主に議会やワシントンのシンクタンク、コンサルティング会社。それも共和党指向の機関に限定されている。業務領域が重複する人々の競争は激しい。CNNによると、このようなポストは来年1月には採用がほぼ終わる。一部の参謀は、「大統領の選挙結果受け入れ拒否で、より良い職を探すタイミングを逃してしまった」と不満かも知れない。

トランプ氏の任期末まで残っている参謀は多くがトランプ氏の忠僕だ。メディアの鋭い批判と沸き立つ世論にもかかわらず、トランプ氏の要求どおり無理な政策を強行した人々だ。嘘と詭弁、法秩序を無視した各種行政措置で国民を混乱させた人も少なくない。

そのように積み重ねてきた言葉と行動は記録に残り、長く彼らに付いて回るだろう。これを正当化する権力の栄華は一瞬で終わることを彼らは分からなかったのだろうか。米国だけの話ではないだろう。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com