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大企業を集めて経済協力を責め立てた李仁榮統一長官の南北関係の虚像と旧時代的な振る舞い

大企業を集めて経済協力を責め立てた李仁榮統一長官の南北関係の虚像と旧時代的な振る舞い

Posted November. 24, 2020 09:28,   

Updated November. 24, 2020 09:28

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李仁榮(イ・インヨン)統一部長官が昨日、三星(サムスン)、SK LG、現代(ヒョンデ)自動車の4大グループを含む財界の関係者を呼んで開いた懇談会で、「北朝鮮を協力の場に引き出す戦略的空間を用意しなければならない。政府と企業がお互いに役割分担を通じて、南北経済協力の時間を準備することが重要だ」と語った。李氏は同日、国会で開かれた討論会にも参加し、「ソウル・平壌(ピョンヤン)代表部をはじめ、開城(ケソン)、新義州(シンウィジュ)・羅津(ナジン)・先鋒(ソンボン)に連絡事務所と貿易代表部の設置も希望する」と語った。

李氏の最近の言動を見ていると、突拍子もないというレベルを超えて奇妙とさえ言える。北朝鮮の南北連絡事務所爆破と韓国国民殺害事件は気にもせず、何とか南北関係を改善しなければならないと主張しながら「南北の時間」を力説している。確保もしていない新型コロナのワクチンを巡って、「足りないときに分かち合うことが、真の分かち合いだ」と主張した末、ついには金剛山(クムガンサン)・開城工業団地の経済協力企業でもない大企業の社長級関係者を集めて、経済協力を押し付ける旧時代的な企業動員の行動さえ見せたのだ。

李氏が掲げる理屈も、極めて便宜的で楽観論の欠片を集めた奇怪な論理だ。李氏は、「米大統領選挙を通じて新しい情勢変化の扉が開いたので、この機会の空間を南北の時間で埋めよう」と主張した。常識的・客観的観測と違って、李氏は米国の政権交代が「機会の空間だ」という。さらに、米国はより柔軟なアプローチをする可能性があり、北朝鮮は経済に非常に集中するだろうと主張した。結局、米国が北朝鮮を顧みる暇がないとき、韓国が出てなだめてみようという話だ。

しかし、北朝鮮はすぐに「国境の外を覗き込んで、子を殺す気か」と、コロナ封鎖のかんぬきをさらにしっかりと閉めている。たとえ北朝鮮が少しでも応えるとしても、同盟とのコンビプレーを強調するバイデン政権が、このような韓国の対北朝鮮へのスピードの出し過ぎをどのように見るだろうか。

これまで政府が南北関係で示した低姿勢は、北朝鮮の挑発を防ぐための苦肉の策だと思われていた。特に統一部は、北朝鮮の機嫌を窺う担当部署なので、仕方がないと舌打ちをすることができた。しかし、最近、李長官の歩みは、勝手に頭の中に描いた虚像のために韓国企業まで困らせている。焦りと過剰行動はすべてを疲れさせるばかりだ。