
先月27日に始まったアルメニアとアゼルバイジャンの武力衝突が、両国の係争地、ナゴルノカラバフ自治州をめぐる戦闘を越え、両国の主要都市に拡大している。民間人の被害も続出している。
AP通信などによると、アルメニア軍は4日、アゼルバイジャンの2大都市「ギャンジャ」をミサイルで攻撃した。この攻撃で少なくとも死者4人が発生し、数十人が負傷した。ギャンジャでは血を流して救助を求める民間人が溢れていると、現地メディアは伝えた。付近の軍の飛行場や電気施設など主要インフラも破壊された。
アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領側は同日、ソーシャル・メディアにミサイル攻撃によって破壊されたギャンジャの都心の動画を公開し、「民間人の住居地域まで攻撃した。黙過できない。近く国民を保護するための措置を取る」とし、報復攻撃を予告した。
アゼルバイジャンと人種、言語、宗教が近い友好国のトルコも加勢した。トルコ政府は声明を出し、「アルメニアの民間人攻撃は法を守らない彼らの立場を示す指標」とし、「ナゴルノカラバフ自治州付近からアルメニア軍が撤収しなければならない」と求めた。
一方、アルメニアは、アゼルバイジャンの民間人を攻撃しなかったと主張した。アルメニア政府は、「むしろアゼルバイジャン軍がナゴルノカラバフ自治州のアルメニア系民間人を狙って空爆を加えた」と対抗した。
ナゴルノカラバフ自治州は国際法上、アゼルバイジャンの領土だが、アルメニアが実効支配している。住民の8割はキリスト教分派である東方正教を信じるアルメニア人だが、アゼルバイジャン政府が所有権を主張し、1991年のソ連解体後、約30年間衝突が続いている。現在、両国の衝突で少なくとも220人が死亡し、22万人が避難を準備していると、BBCは伝えた。
金潤鍾 zozo@donga.com