
李在明(イ・ジェミョン)大統領が13、14日の両日、高市早苗首相の選挙区であり故郷でもある奈良県を訪問すると、大統領府が9日、明らかにした。国賓としての訪中から6日後に行われる今回の訪日は、日中対立が緊張の度を高める中での実用外交の一環と位置づけられる。政府は、李氏と高市氏によるシャトル外交を通じて、中国の輸出規制への対応や、韓国の包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)加盟、さらには歴史問題をめぐる協力でも前進を図る方針だ。
李氏は13日に奈良県入りし、高市氏と単独・拡大会談を行った後、共同記者発表に臨み、夕食を共にする。14日には、高市氏とともに文化遺産である法隆寺を訪問する予定だ。魏聖洛(ウィ・ソンナク)国家安保室長は同日の会見で、「1泊2日の短い日程ではあるが、両首脳は計5回にわたって対話を重ね、韓日両国の懸案について率直な議論が行われると期待している」と述べた。
今回の会談が地方で開催されることから、地方協力など民生分野の課題も重要な議題となる見通しだ。李氏は昨年8月、石破茂首相(当時)との会談で、地方活性化や少子高齢化といった共通課題の解決に向け、政府間協議体を設置することで合意している。
魏氏は「今回の会談を通じて、長生炭鉱事故などの歴史問題において、韓日両国が人道的観点から協力できるきっかけをつくりたい」と強調した。長生炭鉱事故は1942年、海底坑道への浸水により、朝鮮人136人、日本人47人の計183人が水没死した事故で、両国は朝鮮人犠牲者の遺骨発掘や遺骨のDNA鑑定が進むよう協議を続けている。李政権発足後、歴史問題をめぐる初の協力成果につながる可能性もある。
日本側は、日中対立を背景とした韓国との協力の在り方を、今回の会談の主要関心事項の一つと見ている。大統領府は、首脳間で関連意見の交換が行われる可能性はあるとしつつも、日中いずれか一方に与するとの受け止めには慎重な姿勢を示している。魏氏は、中国による対日レアアースなどの輸出規制が議題となり得るかとの質問に対し、「その可能性はある。輸出規制は韓国にとっても無関係ではなく、相互に影響を及ぼし得る問題だ」と述べた。
政府が、2018年に発足した日本主導の多国間自由貿易協定(FTA)であるCPTPPへの加盟を推進していることについても、魏氏は「今回、議論がさらに進む可能性がある」と語った。
一方、大統領府は、イタリアのメローニ首相が17日から2日間の日程で訪韓し、19日に李氏と会談する予定だと明らかにした。イタリア首相が2国間首脳会談のため訪韓するのは19年ぶりとなる。
申圭鎭 newjin@donga.com






