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米、北朝鮮との取引の企業と個人に制裁リスクを警告

米、北朝鮮との取引の企業と個人に制裁リスクを警告

Posted September. 03, 2020 07:44,   

Updated September. 03, 2020 07:44

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米国が1日(現地時間)、北朝鮮の弾道ミサイル開発に関与した企業や個人と取引する場合、制裁対象になるリスクがあると警鐘を鳴らす勧告を発表した。米政権が省庁との連名で北朝鮮の弾道ミサイルを特定して制裁勧告を発表したのは初めて。米大統領選を2ヵ月後に控え、北朝鮮に中・長距離弾道ミサイルを発射しないよう警告を送ったものとみられている。

米国務省国際安全保障・不拡散局(ISN)と財務省外国資産管理局(OFAC)、商務省産業安全保障局は同日、連名で北朝鮮の弾道ミサイルに関連して勧告を発表した。19ページの勧告には、北朝鮮の弾道ミサイル計画に使われる主な物品目録、現在米国の制裁を受けている北朝鮮の個人および機関リスト、北朝鮮の核拡散活動を制裁した米関連法条項とこれを回避するための北朝鮮の手法が詳細に含まれている。 

国務省は報道資料で、「弾道ミサイルの能力を拡大しようとする北朝鮮の持続的な試みは、域内の安全保障はもとより全世界の安定に深刻な脅威になっている」とし、2017年に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を行ったことや、国連安全保障理事会の決議を違反し続けていることを指摘した。また、企業に「北朝鮮のミサイル関連技術や装備獲得の動きに注意」を呼びかけ、「意図せずに北朝鮮の弾道ミサイル関連物品の調達を支援して米国と国連の制裁対象になる恐れがある」と強調した。故意でもミスでも北朝鮮の弾道ミサイルに関与すれば制裁を受けることを警告したのだ。

米国が北朝鮮の弾道ミサイルと関連して異例にも省庁連名の勧告まで出したのは、11月3日の大統領選を控え、北朝鮮に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射などレッドラインを越えないよう警告を送ったものとみられている。韓国と中国政府に送るメッセージという見方もある。ある。韓東(ハンドン)大学国際地域学部の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は、「今回の勧告は、北朝鮮の弾道ミサイル開発に転用される恐れがある資金を供給する取引をしてはならないということ」とし、「韓国政府にも慎重に動くようメッセージを送ったとみられる」と話した。現金が行き交う南北交流協力事業に対して米国が注目する可能性が高いということだ。世宗(セジョン)研究所北朝鮮研究センターの鄭成長(チョン・ソンジャン)センター長は、「(弾道ミサイル開発に活用される可能性がある)多くの物品の密輸が中朝間でなされている」とし、「大統領選を控えて中国への制裁を強化できるというメッセージを送ったとみられる」と指摘した。

こうした中、米国は中国の核の脅威についても警告した。米国防総省は1日に発表した「中国の軍事力に関する年次報告書(2020年版)」を通じて、中国が200個以上の核弾頭を配備していて、今後10年間、その数を倍増させる可能性があるという見通しを示した。米中対立が激しくなる状況で、米国が初めて中国の核弾頭保有量の推算を公開し、軍事力増強の脅威を警告したのだ。

国防総省は200ページに及ぶ報告書で、中国が核戦力の増強および兵器体系の現代化を進めており、陸海空軍全て核兵器を確保する「核の3本柱(nuclear triad)」開発を推進していると分析した。国防総省で中国問題を担当するスブラジア次官補代理は同日、米企業研究所(AEI)が主催したセミナーで、「中国は今後10年内に弾道誘導弾潜水艦艦隊を拡張し、長距離ミサイルや海洋発射弾道ミサイルの能力を強化するだろう」と指摘した。

 


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com