Go to contents

抗議デモ参加者に発砲、犯人は17歳の白人少年

抗議デモ参加者に発砲、犯人は17歳の白人少年

Posted August. 28, 2020 08:06,   

Updated August. 28, 2020 08:06

한국어

幼い3人の子どもが見ている前で白人警官の銃撃を受けて重体に陥った黒人男性、ジェイコブ・ブレークさん(29)の事件の衝撃が広がり、「第2のジョージ・フロイド事件」に飛火している。特に25日(現地時間)夜、ウィスコンシン州ケノーシャで、抗議デモの参加者に向けて発砲し2人を死に至らしめた犯人が17歳の白人少年であることが明らかになり、衝撃を与えている。各地で人種差別に反対するデモが激しくなると、トランプ大統領が連邦政府の介入を公式化するなど事態が緊迫している。

イリノイ州警察は26日、カイル・リッテンハウス容疑者(17)を第1級殺人容疑で逮捕したと明らかにした。リッテンハウス容疑者は前日夜、自宅から約20キロ離れたケノーシャで、デモ参加者に向かってライフル銃を乱射した容疑を受けている。公開された現場の動画を見ると、デモ現場で銃声が何度も鳴り、ライフル銃を持った容疑者が逃げだした。デモ参加者らがつかまえようと追いかけると、容疑者は転び、デモ参加者らに向かって再び銃を数発発射した。この過程で26歳の白人男性を含め2人が死亡し、1人が負傷した。

リッテンハウス容疑者は平素、警官に憧れ、トランプ大統領を支持したという。また、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」に対抗する「ブルー・ライブズ・マター(警官の命も大事だ)」というスローガンを共有し、警官の制服を着たり、ライフルを持っている姿などをしばしばソーシャル・メディアなどに投稿した。銃撃事件の数時間前、あるインターネットメディアとのインタビューで、「誰かがけがをしたら、危険な場所に走っていく。それがライフル銃を持っている理由だ」と語った。事件当時、武装した一部の住民は、通行禁止令を破って「自警団」を作ったという。

同調デモも広がっている。26日、ロサンゼルス中心街では約300人が集まって、警察の強硬鎮圧に抗議する集会を開いた。サンフランシスコ近郊のオークランドのある広場に数十人のデモ隊が集まるなど、米全域で散発的な集会が続いた。

ブレークさんの事件は、すでに大統領選の争点に浮上した。トランプ氏は同日、ツイッターに「米国内での略奪や放火、暴動は許さない」とし、「ウィスコンシン州知事は、連邦政府からの支援を受け入れることに合意した」と明らかにした。また、「今日、法と秩序を取り戻すために連邦軍と州軍をケノーシャに送り込む」と投稿した。トランプ氏が強いイメージを強調し、大統領選で保守層の結集を誘導する狙いがあると分析されている。

 

民主党の大統領候補のバイデン前副大統領は26日、ツイッターに投稿した動画で、ブレークさんの家族と会話したことを明らかにしたうえで、「正義は実現されなければならないが、地域を燃やすような行為は抗議ではなく、不必要な暴力だ」と強調した。


兪載東 jarrett@donga.com