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温かい刑罰

Posted June. 01, 2020 08:14,   

Updated June. 01, 2020 08:14

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「肉体は老いていくのに、心はさらに若返る温かいあの刑罰をどうすればいいのだろうか」(コン・サンギュンの散文集「風が刺繍する庭に詩をかけた」)

求礼華厳寺(クレ・ファオムサ)裏側の竹の森を過ぎると出てくる小さな庵で、コン・サンギュン作家は老僧侶のピンクの茶飲みを見た。青春を修行で過ごした老僧侶に、気持ちだけでも若く生きてもらいたいと思った信者がプレゼントしたものだ。茶飲みの持主はそこにおらず、外は紅梅が赤く光る季節。「扉を開くだけでピンクで満ちているのに、部屋の中にまたピンクを置いて行ったので、体が老いていくのに、心はさらに若返るあの温かい刑罰をどうするのだろうか」と作家は書いた。この句を読んで、私は膝が折れた。

果てしない広大な景色や美しいものを見るたびに涙が出る。私を閉じ込めていた限界を感じ、私を締め付けていたあの限界から解き放たれる感じのためだ。私が閉じ込められていた限界を感じる瞬間、気づかされる。その限界が「私」を作っていたことを。

年取ることは、私の体の限界に会うことである。べたべたついていた欲が、体力と精神力の限界のために一つずつ離れていく。老いることは、執着から始まった恐怖から抜け出すことだ。初めて私の限界は私の家になる。私に休憩を許す時間が訪れる。青春を過ぎて受け入れる自分の限界、その限界がもたらした自分を吟味して鑑賞する時間である。体は老いるのに、心はもっと若くなる時間が訪れるたびに、体と心の隙間がさらに広がるほど罰だろうが、それを「温かい刑罰」と称する作家の余裕から、私は自分の人生に対する限りのない礼を見る。この文は、自足が与える平安の中で自分を愛し、その分、他人に寛大になれる内面の強さを持っている人、そんな人が吐き出せる嘆きだ。庵にいないあの老僧侶は、作家自身なのだ。