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米中対立の中で急激に進む人民元安、とばっちりを避けられない韓国経済

米中対立の中で急激に進む人民元安、とばっちりを避けられない韓国経済

Posted May. 27, 2020 08:54,   

Updated May. 27, 2020 08:54

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中国人民元の為替相場が1ドル=7元を超えるいわば「破七」が起きた。中国中央銀行である人民銀行が25日、対ドル人民元の基準為替相場を前日に比べて0.38%ドル高元安の1ドル=7.1209元に告示したのだ。1ドル当り7元は心理的マジノ線とされ、昨年8月に米中貿易戦争が激化した当時、「破七」が発生すると、米国は直ちに中国を為替操作国に指定したことがある。

中国が人民元の為替相場を上げたのは、貿易戦争に続いて最近、香港保安法、新型コロナウイルス発祥の地をめぐる米国の波状攻撃への反撃措置として解釈される余地がある。米国が圧力をかけてくれば、中国は人民元の為替相場を上げて、すなわち自国通貨を切り下げて輸出競争力を高める方法で対応するだろうという観測は、常に提起されてきたものである。

もちろん、中国が1000兆ウォンに達する大規模な景気刺激のために通貨量を増やし、財政赤字を拡大する方針を明らかにしたことで、人民元安が自然に進んだ側面もある。両国関係が友好的であるときは、互いに了承されるかもしれないが、ほぼ極端に突っ走る米中対立の様相をみれば、米国は、輸出拡大が切実な中国が積極的に切り下げを誘導したと受け止める可能性がなくはない。

昨年8月の為替操作国指定は、今年1月15日に第1次米中貿易合意がなされたことで解除された。今回の「破七」を機に、米国が再度、中国への為替操作国指定カードを取り出したら、ようやく交わした貿易合意は紙切れになり、米中対立が為替問題という敏感な局面に入るおそれがある。

米中為替戦争のとばっちりを受ける代表的な国は韓国だ。対外依存度が高く、特に米中に偏った貿易構造のために不安な為替相場は、韓国企業や政府にとってかなりのジレンマ要因である。当面は人民元との同調現象によるウォン安で輸出競争力に役立つだろうが、国内資本市場ではドルが流れ出て金融市場が揺れることもありうる。

とは言え、直ちにこれと言った対策があるわけでもない。政府は、外国為替市場を綿密にモニタリングしながら、国際的に容認される範囲内で積極的に介入する努力を怠ってはならない。このような困難に見舞われる時に備えて、普段から企業の対外競争力と財政健全性の確保を通じて、外部からの波を防げる防波堤を頑丈に構築する必要がある。


金光賢 kkh@donga.com