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国会に渡った災難支援金、国の借金を増やして100%支給は無理だ

国会に渡った災難支援金、国の借金を増やして100%支給は無理だ

Posted April. 21, 2020 08:08,   

Updated April. 21, 2020 08:08

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国会が、第20代最後の臨時国会を本格稼動し、緊急災難支援金の支給に向けた追加更生予算案の審議に入った。政府は総選挙直後の16日の閣議で、所得下位70%の世帯に最大100万ウォンの緊急災難支援金を支給する案を決定し、国会に送った。しかし、与党「共に民主党」が全国民に拡大支給することを主張し、論議がおこっている。野党「未来統合党」は総選挙の時に、すべての国民1人当たり50万ウォンの支給を主張したが、最近になって見直しを求めるなど、立場がまとまっていない。

緊急災難支援金は当初、企画財政部が国家の財政状況を考慮して所得下位50%の世帯に支給する案を作ったが、「共に民主党」が70%を主張して貫徹させた。さらに、同党が選挙を前後して100%に拡大する案を持ち出したのだ。新型コロナウイルスという災いに直面し、全国民が物質的・精神的な苦痛と不便を経験している状況で、国民皆が支援金を受け取る資格と理由がある。すべての世帯に災難支援金を支給する案は選別作業にかかる時間と行政コストを減らすという利点もある。

 

しかし、国内外の新型コロナウイルスがどのように展開するか確信が持てない状況で、国の財源を浪費してはならない。政府は、政府支出調整や地方費などで9兆7千億ウォンの災難支援金を調達する計画だったが、全国民に拡大する場合13兆ウォン以上が必要になる。新型コロナウイルスによって使用不可能になった支出を調整することができないなら、赤字国債を発行するしかない。与野党が選挙の時に国民にした約束を守ることも重要だが、国家の財政状況を考えるなら、当初の政府の案で支給するのが正しい。丁世均(チョン・セギュン)首相の提案のように、全国民に支給するものの、高所得者には後から税金で還収することが可能なら、迅速性と財政健全性のいずれも満たす代案になるだろうが、実際の還収方法と当面の財源調達手段が明確に提示されなければならない。  

3月の就業者数が20万人近く減り、一時休職者は160万人に急増するなど、新型コロナウイルスによる経済衝撃はますます大きくなっている。職を失っても雇用保険の死角地帯にいる日雇い労働者や特殊労働者のための支援が必要なうえ、消費と生産のマヒで苦しくなった中小大企業の雇用者も保護しなければならないなど財政を投じる所は1、2ヵ所ではない。

保健衛生の専門家の間では、新型コロナウイルスが冬や来年再び大流行するという見通しまで出ている。今後2次、3次の経済衝撃もあり得ることを考えて、財政の余力を残さなければならない。政府が設けた案をめぐって論議を繰り返すより、完璧でなくても迅速に支給することが重要だ。