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黒人女性が007シリーズの主人公を演じる

黒人女性が007シリーズの主人公を演じる

Posted July. 16, 2019 09:55,   

Updated July. 16, 2019 09:55

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「黒人女性の007ボンド」が誕生する。007シリーズ史上、黒人主人公も、女性主人公も初めてといえる。

インディペンデントなどの英メディアは、25番目の007シリーズ「ボンド25」の主人公に英俳優ラシャーナ・リンチ(32・写真)が抜擢されたと、14日(現地時間)報じた。リンチはこの作品で、ダニエル・クレイグ(51)が演じる先輩ジェームズ・ボンドに007という要員番号を引き継ぐスマートで進取的な黒人女性要員「ノミ」の役を演じる。2006年「カジノ・ロワイヤル」から5回ジェームズ・ボンドを演じたクレイグは、今回を最後に007シリーズから引退する。

ジャマイカ血統のリンチは、1987年にロンドンで生まれた。2007年に英ドラマ「ザ・ビル」でデビューし、2017年に英ドラマ「ロミオとジュリエットの終わらない物語(Still Star-Crossed)」の主人公ロザライン・キャピュレット役を演じたことで主演級に成長した。韓国では映画「キャプテン・マーベル」の主人公キャロル・ダンバースの助力者兼シングルマザーの宇宙飛行士マリア・ランボー役で有名だ。

「ボンド25」は4月、ジャマイカでクランクインした。英国、イタリアなどでも撮影して、来年4月に全世界で公開される。リンチとクレイグのほか、「ボヘミアン・ラプソディ」の主人公ラミ・マレック、「007スペクター」の女主人公であるフランス女優レア・セドゥ、M役のレイフ・ファインズ、Q役のベン・ウィショーなども登場する。

第1代のジェームズ・ボンドだったショーン・コネリーを皮切りに、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、クレイグに至るまで、ボンド役は白人男性の専有物とされてきた。このため、黒人女性であるうえ、大衆的認知度の高くないリンチのボンド抜擢は、破格として受け入れられている。英映画界の関係者は、このニュースを最初に報じたメール・オン・サンデーに、「黒人女性の007が登場する瞬間は、『ポップコーンを落とすほど驚くべきシーン』になるだろう」とし、「今は女性の情報要員を『ボンドガール(bond girl) 』ではなく『ボンドウーマン(bond woman)』と呼ぶべきだという話も聞いた」と伝えた。今回のキャスティングを巡って、「007の伝統が消えた」と惜しむ声と「007の伝統は人種や性差別ではないだろう」という意見も対立している。


崔智善 aurinko@donga.com