よく戦ったが、笑えなかった。欧州最高峰の舞台は、まだ孫興民（ソン・フンミン＝２７、トッテナム・ホットスパー）に優勝を許さなかった。
トッテナム・ホットスパー（イングランド）が２日、スペイン・マドリードのワンダ・メトロポリターノで行われた欧州チャンピオンズリーグ（ＣＬ）決勝でリバプール（イングランド）に０－２で敗れた。２０１８～２０１９シーズンのプレミアリーグで２度対戦し、２度とも１－２で敗れたトッテナムは、クラブ創設以降初めての欧州ＣＬ決勝でもリバプールを超えることはできなかった。
この日、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、久々に「ＥＤＳＫライン」で先発メンバーを組んだ。ＭＦのデレ・アリ（Ｄ）とクリスティアン・エリクセン（Ｅ）、ＦＷの孫興民（Ｓ）とハリー・ケイン（Ｋ）の名前の頭文字を取って名付けた「ＤＥＳＫ」メンバーが完全体として先発出場したのは、今年４月のマンチェスター・シティ（イングランド）とのＣＬ準々決勝第１戦以来だった。ケインが、この試合で左足首をケガしたからだ。このため、アヤックスとの準決勝第２戦で奇跡的にハットリックを達成したルーカス・モウラはベンチスタートとなった。
今季にチームの最多得点を記録しているケインは、期待に及ばなかった。一度のシュートがあったが威力はなかった。英国のＢＢＣは、「ケインを起用したポチェッティーノ監督の賭けは成功しなかった。ケインは試合に何の影響を与えられなかった」と批判した。
もどかしいトッテナムの攻撃で、それでも目立ったのは孫興民だった。後半中盤以降、枠内シュート３本を放った。リバプールのＧＫアリソンに止められたが、大胆なドリブルに続く強烈なシュートは院長的だった。サッカー統計専門サイト「フースコアードドットコム」は、孫興民に「ＤＥＳＫ」メンバーのうち最高採点の６．５点を与えた。アリが６．４点、ケインが６．３点、エリクセンが６．５点だった。ポチェッティーノ監督は試合終了後に、「ケインに起用に後悔はない。トッテナムは、ここ数年間、新しいスタジアムに建設を優先して、戦力強化にお金を使えなかった。それでも十分価値ある業績を残した」と話した。
孫興民は、この日の出場で２０１０～２０１１シーズンにマンチェスター・ユナイテッド（イングランド）所属だった朴智星（パク・チソン）以来８年ぶりに欧州ＣＬ決勝でプレーした韓国選手になった。マンＵがチェルシー（イングランド）を下してＣＬを制覇した２００７～２００８シーズンのＣＬ決勝では登録メンバーに入れなかった朴智星は、２００８～２００９シーズンと２０１０～２０１１シーズンには決勝には出場したが、チームは優勝できなかった。
欧州ＣＬ決勝を最後に、孫興民は今季を計２０得点（プレミアリーグ１２得点、ＣＬ４得点、リーグカップ３得点、ＦＡカップ１得点）で締めくくった。自身の１シーズン最多得点（２１得点＝２０１６～２０１７シーズン）に１ゴール足りなかった。欧州ＣＬでは今大会の４得点を入れて通算１２得点を記録し、マキシム・シャツキフ（４１＝ウズベキスタン、１１得点）を抜いてアジア選手最多得点記録を打ち立てた。
２０１８～２０１９シーズンにトッテナム所属で出場した４８試合を含め、昨年のジャカルタ・パレンバン・アジア大会６試合と国際Ａマッチ９試合の計６３試合に出る超人的なスケジュールをこなした孫興民は、４日に京畿道坡州（キョンギド・パジュ）にあるサッカー国家代表チームトレーニングセンター（ＮＦＣ）に合流し、６月の国際Ａマッチ２試合に出場する予定だ。
李承鍵 why@donga.com
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