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北朝鮮にまで広がったアフリカ豚コレラ、遮断防疫に万全を

北朝鮮にまで広がったアフリカ豚コレラ、遮断防疫に万全を

Posted June. 01, 2019 10:24,   

Updated June. 01, 2019 10:24

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昨年8月以降、中国全域に急速に広がったアフリカ豚コレラ(ASF)が、ついに北朝鮮に上陸した。韓国にも防疫に赤信号が灯った。北朝鮮は30日、発症事例を世界動物保健機関(OIE)に報告したのに続き、昨日、労働新聞を通じて住民たちに注意を呼びかけた。

ASFは、豚やイノシシのみに生じるウイルス性感染症で、致死率が100%に達する。まだワクチンや治療薬がおらず、防疫対策は殺処分しかない。20世紀には、アフリカと欧州の一部で発症したが、昨年、中国に上陸後、モンゴル、ベトナム、カンボジアなどのアジア圏で急速に広がっている。感染経路は、ウイルスに感染した豚やイノシシの移動、汚染された豚生産物の搬入などが挙げられる。

韓国政府は、ASFが北朝鮮に流入すれば、イノシシなどを通じて国内に広がる可能性が高いとみて注視してきた。昨日緊急点検会議を開き、江華・甕津・坡州(カンファ・オンジン・パジュ)など、北朝鮮の国境地域の10の市郡を特別管理地域に定めて防疫に乗り出した。これらの地域の主要道路に統制詰所と拠点消毒施設が設置され、野生イノシシの遮断措置が強化される。

また別の感染経路である不法携帯畜産物も油断できない。ASFウイルスは、人には大きな影響を及ぼさないが、生存力が高く、冷蔵肉や冷凍肉では数年間、加熱乾燥された後も数ヶ月は生き残る。現在、中国産畜産物は国内検疫基準を満たさず、一切輸入されていないが、感染した材料が使われた加工食品を個人が搬入する可能性は依然残っている。昨年、中国の旅行者が持ってきたスンデなどからASFウイルスの遺伝子15件が検出されたことがある。

北朝鮮内での具体的な発症の現状とイノシシの移動経路の共有には、北朝鮮の支援が必要だ。北朝鮮と国際機関との防疫協力を通じて、ASFが足を踏み入れられないようにすべきだ。専門家は今後、中国が飼育する豚の約3分の1(約1億3000万頭)が屠殺されると推定する。世界最高の豚肉生産国であり、消費国である中国が不足分を埋めようとするなら、今後数年間、国際価格の上昇など、世界の肉市場に及ぼす影響は大きいだろう。三枚肉とキムチ鍋に代表される韓国庶民の食卓に被害を与えることがないように、政府はこのような対策も疎かにしてはならない。