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ファッションデザイナー、ラガーフェルドの2200億ウォンの遺産は8歳の愛猫に?

ファッションデザイナー、ラガーフェルドの2200億ウォンの遺産は8歳の愛猫に?

Posted March. 02, 2019 07:39,   

Updated March. 02, 2019 07:39

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「私は死んだら、シュペットが私よりも有名になるだろう」

先月19日に享年86歳で死亡した世界的ファッションデザイナー、カール・ラガーフェルドが残した言葉だ。シュペットは、今年8歳の彼のペット猫だ。ミルクコーヒー色のかった耳の部分を除けば、白い毛に青い瞳を持つこのビルマ猫が、最近大きな話題となっている。2億ドル(約2200億ウォン)と推定されるラガーフェルド遺産の唯一の相続人となる可能性が持ち上がっているからだ。生涯独身で暮らしたラガーフェルドには、直系卑属・尊属や兄弟姉妹がいない。2011年から同居してきたシュペットが唯一の家族といえる。

シャネルの男性専属モデル・バティスト・ジャビコーニがプレゼントしたシュペットは、ラガーフェルドにインスピレーションを与える猫としてすでに有名だった。日本のメイクアップアーティスト植村秀の化粧品とドイツ自動車ボックスホールの広告モデルとして、2013年だけで300万ドルの収入を上げた。猫フード広告モデルの提案も入ってきたが、ラガーフェルドが「私は商業的だが、シュペットはそうではない」と断ったエピソードもある。

シュペットは24時間、自分の世話をする警備員1人と2人の専用メイド、インスタグラム専用の作家まで置いている。また、キングクラブとスモークサーモン、キャビアの混ざった専用飼料を、銀皿で受けて食べるという。これを目撃したファッション雑誌ヴォーグの編集長、アナ・ウィンターが「生まれ変わったらシュペットに生まれたい」と口にしたほどだ。

果たして猫に遺産相続は可能だろうか。法務法人ソサンのイ・ジョンファン弁護士によると、韓国やフランスでは、人間でなければ遺産相続が不可能だ。しかし、ドイツ、英国、米国では信託財団に資産を委託し、その管理を任せる方式で許可される。

シュペットのようなスーパーリッチの動物は少なくない。英「デイリー・ミラー」によると、「ペットの金持ちリスト(Pet Rich List)」の首位についたドイツ産シェパード・ギュンター4世の財産は3億7500万ドルにのぼる。1991年、カルロッタ・リーベンシュタインというドイツ伯爵夫人が死亡する際、犬のギュンター3世(ギュンター4世の父)に残した8000万ドルの遺産が、4倍近く増えたという。2位は特有の浮かぬ表情で「気難しい猫(grumpy cat)」で有名になり、キャラクター商品と映画出演で1億ドル近いお金を稼いだ米国の雌猫タルタルソースだ。

ポップ歌手テイラー・スウィフトの猫オリビア・ベンソン(9700万ドル)とトークショーの女王オプラ・ウィンフリーのペット犬4頭(3000万ドル)のように、そのほとんどは犬や猫だが、意外な動物もいる。2011年に急逝した英出版業界の大物だったマイルス・ブラックウェルが飼っていた雌鶏で1500万ドルの遺産を受け継いだというジグー(Gigoo)と、「ドクター・ドリトル2」のような映画と「ゲーム・オブ・スローンズ」のようなドラマ出演で600万ドルのお金を稼いだという今年18歳になった熊「ヒグマのバート2」だ。

2月23日付の「フィナンシャル・タイムズ」によると、このような報道は誇張が多い。ギュンター4世は、ドイツの人道支援団体「ギュンター財団」が広報のための作り話が誤って伝わったケースだ。ジグーについての話も偽ニュースだ。ブラックウェルの遺産7000万ポンドで設立されたブラックウェル財団は、「動物福祉に多額のお金を使うが、特定の雌鶏に遺産が受け継がれたことはない」と明らかにした。

シュペットがラガーフェルドの唯一の遺産相続者だという観測も誇張された話だ。生前ラガーフェルドは、2018年4月、フランスの雑誌ニューメロとのインタビューで、「シュペットは複数の遺産相続の一つだ」とし、「すべてに均等に回るようにするから心配しないでほしい」と明らかにしたことがある。


權宰賢 confetti@donga.com