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「皇帝」が5位、秦鍾午が10mピストルでの悔しい涙

「皇帝」が5位、秦鍾午が10mピストルでの悔しい涙

Posted August. 22, 2018 09:54,   

Updated August. 22, 2018 09:54

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21日、インドネシアのパレンバンで行われたジャカルタ・パレンバンアジア大会の男子10メートル・エアピストル決勝。予選を2位で突破した「ピストルの皇帝」秦鍾午(チン・ジョンオ=39=KT)は試射で標的の真ん中に弾着が集まるなど最高の体調を示した。だが、試射で最終弾を撃った時から不運が始まった。選手の前に設置されたモニター(電子標的)に点数が表示されなかったのだ。

場内アナウンサーが出場選手を紹介しながら試合開始を知らせたが、秦鍾午は両手をクロスさせて試合中止を求めた。そして、審判に自身の電子標的を点検を要求した。しかし、秦鍾午が所属するKTの関係者によると、審判は「私たちが使用する電子標的(全選手の点数が表示される標的)には点数が表示された」として受け入れなかった。その代わり、標的点検のために試射を1発だけ追加で撃てるようにした。

大韓射撃連盟の関係者は、「こういう問題が発生すれば、通常は試合を止めて機材を直してから、選手が納得するまで無制限で試射を認めるべきだ。未熟な大会運営で、秦鍾午は試合序盤から心理的に動揺せざるを得なかった」と話した。射撃代表の関係者も、「審判が試合を中止しなかったのと追加の試射を1発だけ認めたのは理解できない」と語った。

試合が始まると、秦鍾午はいつもとは違う姿を見せた。胸に手を当てては深呼吸をしてから射撃に入った。しかし秦鍾午は、まもなく持ち上げていたピストルを下した。ひどく顔をしかめた秦鍾午は、他の選手たちが2度目の射撃を行うタイミングになって、ようやく1発目を撃った。終始激しい起伏に苦しみ、結局8人のうち5位(178.4点)で試合を終えた。

射撃史上初の五輪3連覇(50mピストル)を達成するなど国際大会で欠かさず個人戦優勝を飾った秦鍾午だが、アジア大会だけは個人戦金メダルがなかった。アジア大会団体戦で3つの金メダルを獲得している。秦鍾午は、「アジア大会個人戦で金メダルがないことがジンクスだとすれば、今大会で(ジンクスを)打ち破ってみせる」と意気込んでいた。

衝撃を受けた秦鍾午は、インタビューに応じないまま共同取材区域を去った。KTの関係者は、「秦鍾午が未熟な試合運営のために心理的なリズムが崩れたことを大変悔しがっている。涙まで見せた」と伝えた。

一方、今大会は施設面の不備や競技運営の未熟さで混乱をきたしている。19日の男子水泳では受賞式典の最中に国旗が落ちる騒ぎがあった。同日、男子背泳ぎ100メートルの表彰式では韓国のイ・ジュホが銅メダルを獲得して表彰台に太極旗が掲げられたが、左右を間違えていた。20日のフェンシング女子フルーレ個人戦予選が行われたジャカルタ・コンベンションセンターでは試合用照明がすべて消え、スケジュール影響が出た。


鄭允喆 trigger@donga.com