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米国の「テコンドーのゴッドファーザー」イ・ジュング氏が死去、享年86歳

米国の「テコンドーのゴッドファーザー」イ・ジュング氏が死去、享年86歳

Posted May. 02, 2018 08:34,   

Updated May. 02, 2018 08:34

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世界ヘビー級ボクシングチャンピオンだったモハメド・アリとアクションスター李小龍の師匠であり、米国で成功した代表的な韓国人に選ばれるイ・ジュング氏(米国名ジュン・リ-)が、先月30日(現地時間)、米バージニア州マクリーンの自宅で死去した。享年86歳。

イ氏の公式ホームページ「ジュンリドットコム」によると、1932年、忠清南道牙山(チュンチョンナムド・アサン)で生まれたイ氏は、日本植民地時代に花を咲かせなかったテコンドーが、1945年の光復(日本植民地からの独立)後、本格的に伝播されたことで、テコンドーに興味を感じて入門した。15歳の時、ソウルに上京した氏は、小さな店の店員だった父に内緒で「チョンド館」でテコンドーを学んだ。小柄でいじめに頻繁に苦しんでいたイ氏は、テコンドーを学んだことで自信を身につけた。

「熱血のテコンドー少年」に成長していた氏は、高校生の時、光復後、初めて国内で上映された米国映画を見に映画館にこっそり入ったが、スクリーンに現れた金髪美女の女優を見て、「金髪の女性と結婚したい」と心に決めたという。イ氏なりの「アメリカンドリーム」が芽生えた瞬間だった。氏は米国で生活するためにテコンドーを教えたいという目標を立てた。当時、同年代の友達よりも英語の勉強をさらに熱心にやった理由だ。そのおかげで、1950年の韓国戦争の勃発後、米通訳兵として働くことになり、続いて、軍幹部候補生を教えるテコンドー師範にもなった。戦争後は空軍教育に力を入れ、米研修プログラムに志願して、1956年に米国に渡った。

氏は1965年、ワシントンに道場を設けて、テコンドーを教えたことで、「テコンドーのゴッドファーザー」として名を知らせ始めた。議会に道場を設置して、上院・下院議員300人にテコンドーを教えた。トーマス・フォーリー、ニュート・ギングリッチ元下院議長などがイ氏の教え子だ。ジョージ・ブッシュ元大統領は当時、マスコミとのインタビューで、「ジュン・リーは、多数の米政治家たちを教えて、米国に韓国を知らせ、韓国のイメージを高めることに貢献した」と評した。イ氏は、李小龍を教えたことで有名になった。李小龍から提案を受けて、1973年に香港で制作された映画で、日本植民地時代の独立運動組織のリーダー役を演じたりもした。

ワシントンDCは2003年6月28日、イ氏が40年間テコンドーを教えた功労をたたえて、「イ・ジュングの日」を宣言した。米政府は2000年、「米歴史の中で最も成功した移民203人」の一人にイ氏を選んだ。

イ氏は約7年前、帯状疱疹のために健康が悪化したことが分かった。遺族は妻のテレサ・リー女史とジミー・リーメリーランド州特殊産業部長官など3男1女がいる。告別式は5月8日午前11時、マクリーンバイブルチャーチで行われる。


趙은아 achim@donga.com