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東京都内で初の「北朝鮮ミサイル」避難訓練...「戦争反対」抗議集会も

東京都内で初の「北朝鮮ミサイル」避難訓練...「戦争反対」抗議集会も

Posted January. 23, 2018 08:37,   

Updated January. 23, 2018 09:12

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「ミサイル発射情報。ミサイル発射情報。当地域に着弾する可能性があります。屋内に避難し、テレビ・ラジオをつけてください」

22日午前10時定刻、東京都文京区の東京ドームシティ周辺。サイレンの音に続き鈍い機械音のような全国瞬時警報システム(Jアラート)情報がスピーカーを通じて鳴り響いた。初めて日本の大都市、それも東京都心で実施された北朝鮮のミサイル発射を想定した避難訓練だ。内閣官房、総務省消防庁、東京都、文京区が主催した。

サイレンが鳴ると、屋外や駅などにいた市民はアナウンスに従って近くの地下鉄・後楽園駅や春日駅、または周辺の建物に避難した。東京ドームシティの遊園地で働く従業員約150人も小走りで屋内に避難した。

訓練はJアラートで住民に情報を伝え、住民が速かに駅や建物に避難することを確認する手順で10分間行われた。事前に呼びかけられていた周辺住民や近隣企業の社員ら約250人が参加した。

訓練に参加した会社員の岸本さんは、「突然起こった時、どうすればいいのか知らなかった。このような機会を大切にして日頃に生かさなければならないと思った」と話した。近隣住民の参加者、北山さんは、「政府が何を考えてこのような企画をしたのか体験しようと思って来た。実際に大事が起こった時、ちゃんと避難できるか疑問だ」と話した。

実戦訓練が終わった後、主催者側は、「北朝鮮が撃ったミサイルが日本に到達するのにかかる時間は10分間である」とし、「この短い時間にどのような行動を取るのか、もっと多くの人が知識を持たなければならない」と力説した。東京都の危機管理官が訓練参加者に「今回の体験を周囲に積極的に伝えてほしい」と呼びかけた。

訓練は整然と行われたが、皆が避難訓練に賛成したわけではなかった。サイレンが鳴る40分前から東京ドームシティの付近では避難訓練に反対する団体が集会を開いた。彼らが持つプラカードには「ミサイル避難訓練は戦争訓練だ。住民も、地方自治体も、地下鉄労働者も拒否しよう」と書かれていた。

抗議集会を主導した国鉄東京動力車労働組合の吉野元久委員長は、「政府は避難訓練をする理由に北朝鮮のミサイルの脅威を掲げるが、内心はこれを機に日本の平和憲法を変えようとしている」とし、「避難訓練は戦争訓練にすぎず、戦争訓練が広がれば日本は戦争ができる国にさらに近付くことになる」と強調した。

反対デモに参加したある元自衛官は、「国家が公共の場所に避難所も準備せず住民に『逃げろ』と言うのは無責任だ」と批判した。

日本政府は昨年3月、秋田県で初めて住民避難訓練を実施して以来、全国26の地域で北朝鮮のミサイル発射に備えた訓練を行った。大半が北朝鮮の核の脅威に直接さらされる地域だ。都道府県が自主的に実施した訓練も100回を超えるという。

しかし大都市での避難訓練は「不安をあおる」という指摘が少なくないうえ、交通などに及ぼす影響も憂慮されて一度も実施されなかった。今回の訓練は、日本政府が、ミサイル攻撃の標的になりやすい都心での訓練が避けられないと判断したことによると、日本メディアは伝えた。



徐永娥 sya@donga.com