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米中の新冷戦時代を予告した「トランプ・ドクトリン」

米中の新冷戦時代を予告した「トランプ・ドクトリン」

Posted December. 20, 2017 08:20,   

Updated December. 20, 2017 09:04

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トランプ米政権が18日(現地時間)、新たな国家安全保障戦略(NSS)を通じて、中国とロシアを「米国の安保と繁栄を侵害しようと試み、米国の力と影響力、利害に挑戦する『修正主義国家』」と規定した。両国を「競争国(Rival Powers)」とし、「米国第一主義」に立って米国の利益保護を国家安全保障戦略の最優先に置くことを明らかにした。米国の覇権維持のために中国、ロシアに対する牽制を本格化するというトランプ式世界秩序の新構想がベールを脱いだのだ。米メディアは、「米国第一主義」が政治スローガンを越えて外交政策を導く力になったとし、「トランプ・ドクトリン」と規定した。

 

特にトランプ氏は、中国を23回も言及し、「違反、トリック、経済的侵攻をもはや黙過しない」とし、アジアでの中国の覇権挑戦を容認しないことを強く示唆した。「無敵の力が最も確実な防衛手段」とし、軍事力の増強で中国を圧倒することも予告した。これまで中国が「自由化の道」に行くという楽観論に基づいて堅持してきた大衆協力政策をもはや展開しないという宣言であり、米中新冷戦時代を伝える宣戦布告の性格が濃厚だ。中国は19日、駐米大使館の声明を通じて、「米中が対立すればいずれも敗北するだろう」と強く反発した。

韓国にとっては何よりもトランプ氏が北朝鮮の核問題に対する強い意志を表わした点が注目される。トランプ氏は、北朝鮮を17回も言及し、北朝鮮のサイバー攻撃と核、弾道ミサイル計画を「世界的脅威」と規定し、「(北朝鮮の核問題は)対応する以外に選択肢はない」とした。さらに、「韓半島地域の防衛のために日本、韓国とミサイル防衛で協力する」と強調した。これは、韓国が米国のミサイル防衛体制(MD)に編入することを明示的に言及したものでなくとも、韓国側が中国と高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の合意の際、事実上約束した「3不(THAAD追加配備・米国MDの編入・日米韓3国軍事同盟の不可)」に反する内容だ。大統領府がこれまで「3不について米国とも協議があった」と説明してきたこととも反する。

「韓半島の非核化を強制する選択肢を向上させる」とし、事実上、軍事的行動を選択肢に含めたことも、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平主席が首脳会談で合意した「韓半島戦争不可」と衝突する。このため、「歴史の試練で構築された韓国との同盟・友好はいつの時よりも強い」という安全保障戦略報告書の内容にひとまず安心しながらも、今後韓国の外交に課せられた重い宿題を推し量らざるを得ない。中国との協力よりも韓国と日本、国際社会主導の圧力と制裁を通じて北朝鮮核問題を解決するというトランプ式解決策と北朝鮮を擁護して平和的な対話を求める中国式解決策の間で選択を強要される時が来るかもしれない。いずれの場合であれ、確固たる韓米同盟の磐石の上で安保を守り、韓国の頭上で起こる米中の覇権競争に国益が侵害されないよう気を引き締めなければならない。