
巨匠ホヨンマン画伯(69)も緊張した様子だった。7日、フランスのパリ韓国文化院では「食客」の特別展示会が開かれ、その開幕式で画伯のホさんは「食客を含め人生初の海外展示会」であるといい挨拶をつづけた。
2002年から2008年まで6年間、東亜日報に連載された「食客」は、知られていない韓国全土の食事や食材を紹介する内容で大人気を博した。韓仏国交正常化130周年を記念し開かれた今回の展示ではフランス人の理解を得るため部分的にフランス語に翻訳された本も用意された。
開幕式にはフランスの「食客」ともいえる「大地の兄弟達」の作家ジャック・フェランデスも参加した。彼もやはりフランス北部のノルマンディー地域を始め南部のコルシカ島に至るまでフランス全国を回り地方固有の食を描き大きな人気を得ている。
「私はシェフと二人で全国津々浦々を回り取材した。特に地方の方言は必ず取り入れた」とフェランデスが言うと、ホ画伯は「自分も全く同じだ」と嬉しそうに語った。彼は「取材を一生懸命したけれども、いざストーリーを書こうとしたら感情移入できない場合は、もう一度現場を訪れたりした」といいながら「方言を入れると臨場感が出るのでいつも調べては取り入れた」という。
ホ画伯は2002年、東亜日報に連載を始めた当時の苦労についても打ち上けた。「漫画は匂いがないという弱点があるわけです。読者に味を伝えるためにはかなりリアルに描く必要がありました。しかも毎日の原稿ですから締め切りのプレッシャーは相当なものでした。そのストレスは毎回新しい食を求めることで解消していました」。
また「生涯の作品というのはなかなか出会えるものではないけど、食客はまさにそのようにな作品である。そういう点では100冊に至らなかったことが悔しくもある」と語る。今からもう一度チャレンジしてみる気はないのか聞くと、笑いながら首を横に振った。「いやいや、またですか?今はできませんね。それだけの元気がありません」。
「誰もがそうであるように食べることとお金に一番興味がある」というホ画伯は、「定食屋を究明する漫画と主食を素材にした漫画の構想中であるが、庶民の食事と言える定食は以外と材料が決まっているので心配」であるという。
世界的なグルメの国と言われるフランスに来たけれど彼は韓国料理が一番だという。
「いくらフランス料理が有名だとしても僕は脂っこい食事がだめなんです。結婚式場で出されるステーキを最後まで食した記憶がありません。でもワインと生牡蠣は相性抜群なんですね。ちょうど旬だから生牡蠣はいっぱい食べていきたいですね」
展示は来年1月4日まで続く。
董正民 ditto@donga.com






