昨年、米国と中国に続く軍事費支出3位の国家はどこか。ロシアを思い浮かべるだろうが、サウジアラビアだ。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が今月初めに発表した2015年の世界の軍事支出に関する報告書によると、サウジの軍事支出は昨年より97%急増の872億ドル(約99兆1500億ウォン)で、ウクライナ内戦に介入しているロシアを抜いた。
世界最大の原油輸出国であるサウジは、この3年間、国際石油価格の下落で類例のない経済難を経験している。タダ同然の値段で供給していた石油に税金をかけ始めた。世界最大の石油会社である国営サウジアラムコの株式公開も推進している。経済難の中でも莫大な軍事支出をしたのは、それだけ安保不安の要素が大きいためだ。
これは、世界最強大国の米国との同盟による中東地域の盟主の座が脅威を受けているという危機意識による。特に、オバマ大統領の就任後、両国の関係は以前のようではない。
サウジの疑念は、2011年の「アラブの春」の時、オバマ政府がエジプトのムバラク政権の崩壊を傍観しているのを見て始まった。エジプトは、サウジと同じスンニ派国家であり、米国の同盟国だ。
昨年のイランとの核合意はこれに油を注いだ。オバマ大統領は、サウジの長年の敵であり米国の宿敵であるシーア派の宗主国イランとの関係改善に乗り出した。そのうえ、経済制裁が解けたイランの原油生産量が急増し、手綱の緩んだ国際石油価格を抑えることがさらに難しくなった。
サウジのこのような挫折感は、最近、米議会が9・11テロ犯とサウド王家や政府、企業との関係疑惑を法廷で扱えるように、彼らに対する免責特権を解く法案を推進しているという情報によって爆発した。先月、ワシントンを訪れたサウジのジュベイル外相は、問題の法案が通過されれば、サウジが保有する7500億ドル(約852兆ウォン)規模の米国の国債を一度に処分すると警告した。
オバマ大統領が19日、このようにいきり立ったサウジを訪問する。オバマ大統領は3日間サウジに滞在して昨年ワシントンを訪れたサルマン国王に会い、バーレーン、クウェート、カタールなどサウジが主導する湾岸協力会議(GCC)国家の首脳とも会談する。
今回の訪問で両国の関係が改善されるかどうかについては懐疑的な見方が多い。双方の利害関係が変わったということだ。オバマ大統領も、時事月刊誌「アトランティック」4月号のインタビューで、サウジについて、「米国の国益と関係のない分派紛争に米国を引き込もうとする無賃乗車者のために苛立ちを覚える」と述べた。
しかし、苛酷な砂漠で絶対王権を築いたサウド王家の老獪な生存能力を軽く見てはならないという声もある。米国は、「イスラム国」(IS)との戦いでサウジの支援を受けなければならない。サウド王家も国内外の脅威勢力を統制するには米国という傘が必要だ。そのうえ、オバマ大統領の任期は8ヵ月も残っておらず、後任者が誰になろうとこれまでとは違うサウジとの関係が設定されるということをサウド王家もよく分かっていると、米紙ニューヨーク・タイムズが18日付で伝えた。
권재현기자 クォン・ジェヒョン記者 confetti@donga.com






