イノシシ専門家である国立公園研究院のキム・ウィギョン研究員は、「一般的にイノシシが人を見て、攻撃するために先に襲いかかる可能性はほとんどない」とし、「従って偶然遭遇した場合、イノシシを先に脅かすのは禁物だ」と説明した。イノシシを追い出すために石や木の枝、登山ストックなどで攻撃するふりをする人がいるが、これは危ない行動だということ。過剰な対応は控えたほうが良いという。
イノシシには脅威になり得るため、怒鳴ることもしてはならない。イノシシに先に気づいた時には、木や岩の後ろに隠れた方が良い。イノシシは動くものに敏感に反応するが、視力は良くない。背中を見せて逃げるのも禁物だ。イノシシの走るスピードは、平均時速50キロメートルに上るため、人がこれより早く走るのは不可能だ。もし近い距離でイノシシに出会った場合は、あわてずに目を合わせ、ゆっくりと後ずさりする。この場合も、近くに木や岩があれば、その後ろに身を隠す必要がある。傘を持っているなら、これを広げて身を隠すのも一つの方法だ。イノシシから攻撃の危険を感じた時には、木など高いところに登ったり、イノシシの主な攻撃部位である太ももやすねなどをかばんで保護しなければならない。
イノシシを避けて木など高いところに登る時も、留意点がある。少なくても成人身長程度の170センチ以上の高いところに登らなければ安全でないということだ。足の短いイノシシは木に登ることはできないが、巨大な体にも関わらず150センチの高さまでジャンプすることができる。
最も望ましいのは、イノシシに遭遇しないことだ。登山をする時は、決まった登山路を利用すれば、イノシシに出会う可能性がほとんどない。国立公園管理公団の関係者は、「猪突猛進のイメージとは違って臆病な動物であるイノシシは、人が通る道だと認識すれば姿を現さない」と説明した。
임현석기자 イム・ヒョンソク記者 lhs@donga.com