韓国メーカーが主導してきた世界ディスプレイ市場で、中国メーカーの追い上げが激しい。韓国国内メーカーの喜びと悲しみも、中国市場で分かれた。
18日、台湾市場調査会社ウィッツビュー(WitsView)によると、LGディスプレイが三星(サムスン)ディスプレイを抜いて、昨年世界で最も多くテレビパネルを供給したメーカーに選ばれた。2014年にトップだった三星ディスプレイは、台湾のイノラックス(Innolux)にも押され、3位に落ちた。ウィッツビューは昨年、液晶表示装置(LCD)や有機発光ダイオード(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)など、テレビパネル供給メーカー各社のグローバル順位について、このように発表した。
●BOE供給量は148.5%急増
「2022年、三星とLGを抜いて世界トップにつく」と公言してきた中国最大手ディスプレイメーカーBOE(中国名は京東方)は、2014年比の供給量がなんと148.5%も急増した。順位は、三星ディスプレイ(3位)に次いで4位だったが、供給量の上げ幅だけを見れば、三星ディスプレイ(マイナス8.0%)、LGディスプレイ(6.4%)とは比べ物にならないほどの成長ぶりだ。
計5530万枚のテレビパネルを供給してトップについたLGディスプレイも、手放しで喜べずにいる。BOEだけでなく、中国パネルメーカーのCOST(チャイナスター)や台湾のイノラックスの追撃を目で確認したためだ。
ディスプレイ業界の関係者は、「BOEは最近、月15万枚の生産規模となっている重慶工場を稼働させて、物量攻勢に乗り出しており、昨年12月は400人民元(約7兆2000億ウォン)を投入して、サッカースタジアム20個分の10.5世代パネル工場の起工式も行った」とし、「現在の順位よりは、中国発供給過剰のため主な収益源となっているLCD価格の下落が続く上、グローバルディスプレイ市場の需要低迷も見込まれる今年が問題だ」と語った。
ウィッツビューは、LGディスプレイがトップについた要因として、「LG電子の注文依存度を下げる代わりに、長期的観点から、中国市場に力を注いてきた戦略的決定が、中国ライバルメーカーの挑戦を食い止めた」と評した。三星ディスプレイの場合、「三星電子のセルイン(sell−in=メーカーから流通業者に供給される物量)出荷量が予想より減少したことで、2015年の注文量が打撃を受けた」と分析した。三星ディスプレイは、2位のイノラックスより約83万枚少なかった。
●「OLED時代を繰り上げて主導権を死守」
LGディスプレイと三星ディスプレイは、LCD分野で高付加価値製品の比重拡大やコスト革新などで市場支配力を守り、OLED部門の先進的技術力を基に、主導権を守るという戦略だ。
LGディスプレイは2013年からOLEDテレビ向けパネル供給を開始後、2014年は中国のスカイワースやコンカ、2015年は日本のパナソニックなどの顧客社を確保し、OLED市場を拡大させている。第8世代OLEDパネルの生産ラインの場合、昨年は2万6000枚(ガラス基板投入基準)を追加で確保し、生産能力も大幅に増大させた。三星ディスプレイも同様に、収益性が悪化した中小型LCDより、大型LCDとOLEDに集中する計画だ。
LGディスプレイの韓相範(ハン・サンボム)副会長は、「今年は、画質やデザインを打ち出した多様な製品ラインナップや生産能力を基に、OLED市場を拡大させ、中国はもとより、日本や欧州地域の顧客群をさらに拡大させていきたい」と話した。
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