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[オピニオン]崔泰源会長の告白

Posted December. 30, 2015 07:10,   

「婚外子供がいる」と離婚意思を明らかにしたSKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長の告白は、29日中、わが社会の話題を吸い込んだビックニュースだった。「崔会長が、大きな議論を呼んだ元慰安婦を巡る会談を薄めたのだ」という冗談まで出た。財界によると、妻のアートセンター・ナビの盧素英(ノ・ソヨン)館長は、「すべてのことは私の至らなさから始まっている」と主張し、夫の婚外子供まで抱きかかえるという立場を明らかにしたが、水の泡となった。二人が離婚訴訟をすることになれば、慰謝料はどれぐらいになるだろうか、相続問題や財産分与はどうなるのかと、噂がうわさを呼んでいる。

◆崔会長の告白について、男性らは、「恥を公開した勇気が羨ましい。隠れて、あるいはこれ見よがしに愛人を囲う男たちもいるではないか」と、おおむね寛大なほうだ。しかし、女性たち、特に「本妻」らの反応は異なっている。「『世紀の恋』でもしたというのか。浮気して子供まで産ませておいて、偉そうに公開するなんて」、「手紙の最後の部分に、『新しい女性と子供に対し責任を持ちたい」という言葉があるのみで、妻や子供らへのすまなさはない」という批判世論が激しかった。二人の決別や財産分与を巡る懸念のためか、同日、SKグループの株価は下落ぶりを見せた。

◆信心深いキリスト教徒と言われている盧館長はかつて、とある信仰メディアとのインタビューで、「夫は刑務所に入れられ、末息子は小児糖尿という難病判定を受けた。人生の最も低いところにいた」と語った。次女は海軍将校として服務中のチェ・ミンジョン中尉だ。「娘がどれほどつらければ、(海軍に)克己訓練に行っただろうか」という書き込みを読みながら、記者は胸が痛んだ。

◆そのうちふと、財閥会長でも、元大統領の娘でも避けて通れない「人生の混濁した垢」に思い至った。人生とは矛盾や混沌そのものであり、それは誰も同じだという悟りの前で、誰もが大言壮語することなどできない。崔会長と盧館長の子供たち、そして崔会長の「女」とその子供も皆、幸せになる権利がある。大韓民国のすべての国民には憲法で保障された「幸福追求権」があり、それに至る過程における個人の選択や苦悩を尊重せざるを得ない。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com