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[オピニオン]李鍾杰の「ビョンシン」発言に遺憾

[オピニオン]李鍾杰の「ビョンシン」発言に遺憾

Posted December. 24, 2015 07:27,   

プライベートな場で、最大野党新政治民主連合の李鍾杰(イ・ジョンゴル)院内代表に初めて会った人は驚く。穏やかで端正な紳士といった感じがする。たまに遅刻することを除けば、マナーもきちんとしているという。先月6日に行われた国定化反対集会では、ピアノまで演奏した。「あら、暴言の達人がピアノまで…」。しかし、李鍾杰は藝苑(イェウォン)学校のピアノ科出身だ。友堂・李會榮(イ・フェヨン)先生の孫であり、由緒ある家柄の子孫らしく、最近の政治家としては珍しくルネサンス的感受性まで身につけている。

◆そんな彼が、マイクの前に立ったり、SNSのキーボードに手を乗せたりすれば一変する。なんといっても李鍾杰暴言の「最高峰」は、「朴槿恵のクニョン(尼っ子)」事件だ。我慢できなかった朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が、「印象もよく、口も達者な方なのに、なぜ私に『クニョン(あの尼っ子)』とか『チョニョン(その尼っ子)』とか言われたんですか?」と恥をかかせたぐらいだ。その場ですぐに謝罪した李鍾杰だが、22日、また、朴大統領を批判して、「国民はビョンシン(病身=体の不自由な人を指して蔑む意味の卑語)か、あほか」と暴言をふるった。ところが、今回の「国民はビョンシン」発言は、単なる暴言とは受け取れない。

◆デモの規模がめっきり縮小し、「民衆総決起」という言葉が似合わなかった19日の第3次集会の時、「ビョンシンニョン(新年の丙申とビョンシン(病身)の二重意味)朴槿恵」という掛け声が登場した。いま、SNSでは、朴大統領と新年の丙申の年とを組み合わせた「朴槿恵ビョンシンニョンの支持率」、「朴槿恵のビョンシンニョン年賀状」などの複数の悪質的造語が出回っている。「ビョンシン(病身)」は、「あほ」という言葉とも異なる。障碍者を激しく卑下した言葉であり、政治家にとっては禁句ともいえる。李鍾杰が事実上の禁句を口にしたのをどう受け止めるべきか。早くから新年の干支の「丙申(発音が同じく「ビョンシン」)の年」が様々な悪質で低俗なパロディーに使われるだろうという懸念が出ている。

◆天干の丙とは、種から枝が伸びる姿であり、赤色を帯びる。地支の申とはサルだ。すなわち、丙申の年は、「赤色のサルが伸びていく」といういい意味だ。昔からサルは、知恵と社交性の象徴ではないか。高麗が後三国を統一した年(936年)も、八萬大藏經の製作が始まった年も丙申の年(1236年)だ。墜落か、飛上かの分かれ道に立たされた大韓民国。国運を広く伸ばしても足りない新年なのに、「ビョンシンニョン〜」云々しながら、汚く迎えるわけにはいかない。

朴済均(パク・ジェギュン)論説委員 phark@donga.com