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[オピニオン]パピヨン少女の生き地獄からの脱出

[オピニオン]パピヨン少女の生き地獄からの脱出

Posted December. 23, 2015 07:27,   

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12日、飢えと度重なる暴力に絶えられず、ガスの配管をつたって2階から脱出した11才の少女の話は、映画「パピヨン」を髣髴とさせる。Tシャツと半ズボンで裸足の少女は、痩せて骨と皮だけのような状態で、腕や足はあざだらけだった。町内のスーパーでお菓子を買っていた少女は、力がなくて袋もまともに開けることができなかった。1人当たり国民所得3万ドルを目前とする大韓民国でこのようなことが起きていた。

◆父親と内縁の妻、内縁の妻の友人は、食事の出前を取って食べ、何も食べていない少女が残ったものを食べようとすると、「何も食べるな」と殴った。内縁の妻が飼っているマルチーズが少女とは正反対に太っていたというから、凄まじい非人間性に言葉を失う。父親も幼い頃、義父から虐待を受けたトラウマがあり、仕事もせず「リニジ」ゲームにはまっていたという。しかし、このようにおぞましい虐待の言い訳にはならない。

◆少女が富川(プチョン)の小学校2年に在学していた時、担任が学校に来ない少女を探そうと虐待通報をしたが、児童福祉法上、教師は通報義務者ではないという理由で警察は通報を受け付けなかった。仁川(インチョン)に引っ越してからは、父親は娘を学校に行かせず、家の外にも出させなかった。子供が消えたのに誰も探すことはなかった。地獄のような生活を終わらせたのは少女自身だった。絶海孤島の監獄から脱出する映画の主人公のように、少女は生き地獄から抜け出した。

◆2013年、蔚山(ウルサン)と漆谷(チルゴク)の義理の娘暴行死亡事件を機に、児童虐待に関する処罰が強化されたが、最高量刑はたったの懲役5年だ。実際に児童虐待事例を見ても、単純な育児放棄というよりも殺人と見なければならないケースも多い。遠足に行かせてほしいという義理の娘を殴って死亡させた蔚山の継母に殺人罪(懲役15年)が適用されたのに続き、最近25ヵ月の養女に暴力をふるい、辛い唐辛子を食べさせて死亡させた40代の女性にも殺人罪(懲役20年)が適用された。拘束されたパピヨン少女の父親ら保護者にどんな法が適用されれば怒りが収まるだろうか。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員shchung@donga.com



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