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朴大統領、習近平主席に胸襟を開いて話さなければ

朴大統領、習近平主席に胸襟を開いて話さなければ

Posted September. 09, 2015 16:31,   

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朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は9月3日の中国の抗日戦争勝利70年記念行事の軍事パレードに出席することを確定した。北朝鮮の非武装地帯の地雷攻撃と砲射撃による南北の軍事危機が一段落し、朴大統領が軽い気持ちで発つことができ幸いだ。

韓中関係は「戦略的協力パートナー」という外交レベルのように、様々な面で複雑微妙だ。韓国は、中国のライバルである米国と同盟関係にあり、中国は韓国と軍事的主敵である北朝鮮と同盟(中朝相互友好條約)を結んでいる。中朝関係は、4年前に金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の政権出現後、徐々に悪化し、今回の記念行事に金第1書記が出席しないなど最悪の状態だが、中国は戦略上、北朝鮮を完全には見捨てない。過去に比べて北朝鮮政権に対する統制力も弱まったものの、中国は依然として「生死与奪の権」を握っている。

これに反し、韓中関係は理念の違いにもかかわらず、習近平政権後、急速に近づいている。習主席が北朝鮮よりも先に韓国を訪問したことや頻繁な首脳会談、自由貿易協定(FTA)の締結からもうかがえる。国交正常化後、両国の貿易は昨年2354億ドル、人的交流は1000万人を超えた。対中貿易は全体の25%で、米国をはるかに上回る。

中国はこれまで、国力の伸張と軍事力の威容を内外に誇示するために盛大な抗日戦争勝利70年記念式を野心的に準備してきた。記念式にはロシアのプーチン大統領など30ヵ国の指導者と潘基文(パン・ギムン)国連事務総長など各国の代表59人が出席する。日本は政府代表団も派遣せず、米国は駐中大使が出席することを決めた。

中国は、朴大統領の記念式の出席を通じて、日本の侵略と植民統治の共通被害国の韓国と親交を確かめ、抗日戦争と反ファシスト戦争の勝利を浮き彫りにしようとする。東アジアで、中国の国威発揚に連合包囲網を構築している米国と日本を牽制することで、韓米日軍事同盟の輪を弱体化させようという意図もある。中国が、米国の同盟である韓国の朴大統領の出席に努力した理由でもある。

一方、韓国も朴大統領の出席を通じて得るものは少なくない。中国は、事実上北東アジアの覇権国であり、韓国統一の相手である北朝鮮に対しても最大の影響力を行使できる国家だ。韓国はこれまで中国と築いた信頼を基に、米国と中国の間で北東アジアと世界平和に向けて建設的な仲裁者の役割を果たすこともできるだろう。また韓国は、北朝鮮核問題の解決と韓半島の平和と安定、そして統一に向けて中国の助けが切実だ。最近、一触即発の南北間の軍事対立の解消にも一定部分、中国の建設的役割があった。

習主席は朴大統領を「老朋友(旧来の友)」と呼ぶほど近しい間柄だ。米ワシントンの政界で韓国の「中国傾斜」が著しいと憂慮するほど、外見上韓中関係は近い。にもかかわらず、中国は核問題の解決と統一に向けて顕著な役割を果たしていない。朱鐵基(チュ・チョルキ)大統領外交安保首席は、北朝鮮の砲撃挑発があった20日に北京を訪れ、韓中首脳会談の議題について協議したという。

朴大統領は9月2日、習主席との首脳会談ですべての提案を一度に取り上げ、率直に話さなければならない。核問題の完全な解決に向けた中国の圧力行使、そのための原油供給の制限など国連制裁の厳しい適用、そして脱北者に対する国際法にともなう避難民待遇などを要求しなければならない。今回確保したゴールデンタイムを逃してはならない。朴大統領の中国記念式の出席は、米国の同盟国として苦心の末に下した困難な決定だ。習主席もこのような事情を誰よりもよく理解するだろう。

朴大統領は、北朝鮮の非武装地帯の木箱地雷の設置や砲撃といった小さな挑発がややもすると全面戦争に拡大し、北東アジアに恐るべき大災難を呼ぶ恐れがあることを取り上げ、核問題など対北朝鮮統制力を最大限行使するよう習主席に強く要請しなければならない。これまで習主席が見せた温かい笑みと韓中の友好ムードが、韓国統一に向けて具体的な行動として現れることを望む。

呂永茂 南北戰略硏究所長