Go to contents

[オピニオン]朴大統領親戚の雪岳山ケーブルカー

[オピニオン]朴大統領親戚の雪岳山ケーブルカー

Posted August. 15, 2015 07:11,   

한국어

雪岳山(ソラクサン)の五色(オセク)ケーブルカー設置を巡って、地元住民と環境団体が激しく対立している。江原道襄陽郡(カンウォンド・ヤンヤングン)の住民たちは一昨日、「地元住民の数十年越しの念願であるケーブルカーは、必ず設置されるべきだ」とし、2万人の署名を大統領府に送った。反面、緑色連合などの環境団体の会員たちは同日、江原道庁前で「雪岳山ケーブルカー反対闘争」宣言式を行った。

◆五色ケーブルカーは、襄陽郡西面のあるホテル近くから雪岳山大青峰(テチョンボン)付近のクッチョンまでの3.5キロを結ぶ事業だ。江原道と襄陽郡は2012年と2013年にもケーブルカーを申請したが、環境破壊を理由に承認されなかった。しかし、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が昨年、山地観光活性化に向けての規制緩和を指示してから、急速に手続きが進んだ。環境部は、今月に国立公園委員会を開き、可否を決める予定だ。

◆五色ケーブルカー問題が議論を呼ぶと、この問題と抱き合わせの形で雪岳山に設置されている権金城(クォングムソン)ケーブルカーが話題となっている。このケーブルカーを運営する雪岳ケーブルカー(株)の代表は、朴大統領の甥のハン・テヒョン氏だ。故朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が1969年、娘婿のハン・ビョンギ氏に事業権を与えて以来、46年間、ハン氏一族が独占運営してきた。雪岳山を1970年に国立公園に指定して開発を制限する直前に特定関係者に特恵を与えたものだ。同社は年間50〜70億ウォンの収入を挙げているが、環境保全のための基金を捻出したことがない。年間83億ウォンの雪岳山管理資金は全て国民の税金で賄われている。

◆豪州のケアンズ・スカイレールは環境に優しく設計され、「欧州グリーン文化賞」まで受賞した。ケーブルカー問題は、開発か環境かの二分法的に扱うべき事案ではないことを示す事例だ。経済性や環境保護を総合的に考慮し、事案別に決定する必要がある。国内にも20あまりのケーブルカーがあるが、権金城など2、3ヵ所を除いては赤字運営で自治体の厄介者となったところも多い。ただ、権金城のように公共の資源で特定関係者だけに恩恵を与えてはならない。既存の事業者に与えざるを得ないのであれば、環境保全支援金だけでも払わせるべきではないだろうか。

シン・ヨンス論説委員 ysshin@donga.com