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15年間視聴率1位、日本ドラマ「相棒」の秘訣は

15年間視聴率1位、日本ドラマ「相棒」の秘訣は

Posted August. 04, 2015 07:21,   

シリーズ・ドラマ天国である米国でも、シリーズが2桁を超えるドラマは多くない。シリーズを重ねるにつれ、似かよった話が繰り返されるため、飽きられて視聴率も下がるためだ。

その点で、日本のドラマ「相棒」は、韓国、米国、日本をあわせても飛び抜けている。2人の刑事が事件を解決していく過程を描いた刑事ドラマで、毎回ストーリーが変わるエピソード式の構成だ。今年、シリーズ13まで放送されたが、連続ドラマとしてシリーズ放送される前の単発ドラマまで含めれば、15年間のロングランだ。

「相棒」のロングランの理由は、これまで視聴率が下がったことがないことにある。初めの頃は10%前半を記録した視聴率が徐々に上昇し、最近でも通常10%後半、高い時は20%を超えることもある。この間、日本のドラマ全体の視聴率が低迷していることを考えると、かなり高い数値だ。

長寿の秘訣は何か。まず、古典を参考にして魅力的な主人公を作り出した。主人公の杉下右京(水谷豊)は、シャーロック・ホームズに似ている点が多い。東京大学出身のエリートの彼は、天才的な推理力と観察力を持っているが、他人との協調力は0だ。当然、上司の顔色をうかがう術を知らず、たいして重要でない警視庁特命係に左遷された。紅茶好きで、花と植物を愛し、ピアノ演奏もずば抜けるなど趣味が多彩なことも、ホームズと似ている。ただ、事件にだけ集中するホームズと違って、警察に対して忠告もし、だめな犯人には怒ってたしなめる時もある。理性と論理中心の西洋型エリートに東洋の志士型エリートを配合して「ローカライズ」したのだ。

推理の面白さを最大化しつつ世相を反映するエピソードを加えて15年の歳月を克服することも秘訣の一つだ。シリーズを重ねるにつれ、世代葛藤による犯罪やインターネットを利用した新種の犯罪が増え、事件の内容や捜査方法が変わることも面白い。小さな犯罪が官僚が失脚するスキャンダルにまで広がったり、「家族」のことは大目に見る警察組織を批判するエピソードもしばしば登場する。1、2人の脚本家と監督が作品を作るのではなく、毎回脚本家と監督が変わることで可能になる。

最後に、常にドラマを刷新できる可能性も残した。形式と雰囲気は維持しつつ、相手役の相棒刑事を交代させ、ドラマに新しい力を吹き込む。これまでの相棒には、右京と正反対の魅力を持つ亀山薫(寺脇康文)、似ているようで似ていない神戸尊(及川光博)、親子のような甲斐享(成宮寛貴)まで、3人が活躍した。10月から放送されるシリーズ14では新しい相棒が登場する。毎回が記録の「レジェンド」ドラマ「相棒」は、果たしてどこまで行けるだろうか。



iamsam@donga.com