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秋信守とバニスター監督の深まる確執、共存の道はテキサスの勝利

秋信守とバニスター監督の深まる確執、共存の道はテキサスの勝利

Posted July. 24, 2015 07:26,   

監督が9人の先発メンバーを選んでから9番までの打順を決める際の場合の数は、実に36万2880もある。監督は頭を振り絞って格闘の末に一つを選択する。それによって勝敗の半分が決まる。監督暦十数年でさえ「誰か代わりにやって欲しいと思う時もある」と打ち明けている。それだけ大変な作業だ。

最近、大リーグ・テキサスのジェフ・バニスター監督は36万を遥かに上回る場合の数を転がした。少なくとも2倍以上だ。秋信守(チュ・シンス)のためだ。秋信守を、できるだけ排除する方向でラインナップを組もうとしたため、代替選手の決定など考慮事項が増えたのだ。一次的には秋信守の不調が原因だ。ところが、バニスター監督のラインナップに対して、専門家たちはちょっと

後半期の開幕とともにバニスター監督は、相手投手が左腕だと秋信守を外す方向でラインナップを作成した。秋信守の左腕相手の打率が低いというのが表向きの理由だ。また秋信守が代打の準備をしているのを見ながら、他の選手を代打に立てた。秋信守は顔を赤らめたという。また試合の後半に守備で交替出場させては、その回だけですぐ交代させた。バニスター監督は守備のエキスパートだっただけに、誰も口を挟めなかったという。秋信守に徹底して侮辱感を与えた。NCダイノスの金卿文(キム・ギョンムン)監督が「バニスター監督の秋信守起用法を見ていると首をかしげる時が多い」と話したのも、同じ脈絡からだ。

テキサスのジョン・ダニエルズGMとしては、自身が1億3000万ドルで獲得した秋信守が失敗するのは恐ろしいことだ。ところが、今年、問題のバニスター氏をテキサスの監督に招いたのも、他ならぬダニエルズGMだ。どっちの方を持つわけにもいかなく、気を揉むばかりだ。

葛藤を放置すれば、どちらかは立ち去らねばならなくなる。日本人選手のイチロー(鈴木一朗)は、シアトル時代の2005年、マイク・ハーグローブ監督と対立した。スタイルが合わなかったからだ。イチローは日本のメディアを通じ、監督のリーダーシップを激しく批判した。監督は、球団にイチローのトレードを要求し、イチローは上層部(球団を所有する日本企業の任天堂)に監督の更迭を要求した。結局、ハーグローブ監督は、2年後にチームを去った。

昨年まで柳賢振(リュ・ヒョンジン)と同じチームに所属していたハンリー・ラミレスも一緒だ。2009年のフロリダ時代にいい加減な守備で監督に睨まれた。当時無名だったフレディ・ゴンザレス監督が、公に緩い守備の問題を指摘すると、スーパースターだったラミレスは激昂した。球団はラミレスの肩を持った。ゴンサレス監督はシーズン終盤に解任された。

秋信守は、チーム内で唯一のスター選手でもなければ任天堂のような後ろ盾もない。それでも1億3000万ドルの高額年俸選手だ。仮に、秋信守が勝つことになれば、チームは潰れるだろう。逆にバニスター監督が勝つと、秋信守は一生「食い逃げ」のレッテルが貼られるだろう。そして、どういう結果になろうと、球団はダメージを受ける。

ここに来て秋信守の成績によってバニスター監督が水位を調整している印象がある。確執が解消されたわけではない。野球界に検証された正解は一つだけだ。秋信守もバニスター監督でもない、「テキサス」が勝つことだ。そのことが、二人がテキサスにいる理由で、二人が共存できる道だ。おそらく、二人とも気付いていることだろうけど。



touch @donga.com