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[社説]三星ソウル病院が震源地となった理由を解明してこそ3次拡散を防げる

[社説]三星ソウル病院が震源地となった理由を解明してこそ3次拡散を防げる

Posted June. 16, 2015 07:17,   

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政府は首相室の局長級を団長とする「防疫管理点検・調査団」を昨日、三星(サムスン)ソウル病院に派遣した。防疫管理点検・調査団は、三星ソウル病院の防疫管理の実態を点検し、この病院が措置を決めた複数の事項を適切に履行しているかどうかを監督することになる。民間専門家中心の即刻対応チームは13日から、同病院でMERSの3次拡散を防ぐための疫学調査を行っている。首相室が乗り出したのは、根本的に保健福祉部(福祉部)や三星ソウル病院への不信のためだ。

国内最高の病院と言われている三星ソウル病院が、MERSを拡散させた最大の震源地となったのは、福祉部の過ちも大きい。崔鍫煥(チェ・ギョンファン)首相職務代行兼経済副首相も昨日国会で、政府のMERS初期対応過程に問題があったと認めた。文亨杓(ムン・ヒョンピョ)福祉部長官は今月2日、「MERSの発生病院に対しては、病院または病棟そのものを隔離させる」と語った。実際、ソウルメディヒル病院や大田(テジョン)建陽(コンヤン)大学病院・テチョン病院は、病院や病棟を封鎖または隔離させたが、三星ソウル病院は自主的措置に任せた。

伝染病が発生すれば、公信力のある政府が、直ちに疫学調査を行い、外来患者や面会客を制限しなければならない。しかし、疾病管理本部は疫学調査や接触者把握をこの病院に任せ、事態を悪化させた。保健福祉部の関係者は、「三星ソウル病院を信じた」と、手加減の疑惑を否定した。同病院の宋在鎡(ソン・ジェフン)院長は大韓感染学会理事長を歴任し、アジア太平洋感染研究財団の理事長を務めている感染専門家なのに、病院防疫の穴を防ぐことができなかった。

三星ソウル病院の医師でMERS感染陽性判定を受けた138番患者は、隔離対象に含まれず、救急室移送要員の137番患者も、MERSの症状を見せたが、9日間正常勤務をし、患者76人を運んだ。保健福祉部が三星ソウル病院を防疫体系の「聖域」とみなして手を付けなかったため、隔離者の選定や管理に穴が開き、この病院通じて直接・間接的に感染した患者は75人に上る。さらに深刻なのは、この病院を通じて感染した患者が、全国のいたるところに広まっており、第3次拡散の懸念が高まっていることだ。

首相室の調査団は、三星ソウル病院への疫学調査を救急室に限らず、全面的に行い、その結果も公開する必要がある。強力な医療的・行政的点検や監督が必要だと判断しただけに、この病院によるMERSの密接接触者や隔離対象者を政府が集中的に管理しなければならない。そうしてこそ、MERS鎮圧のカギとなる第3次拡散を防ぐことができる。MERS事態が落ち着いた時点で、福祉部を始め、防疫当局が三星ソウル病院を放置した責任の所在も徹底的に解明する必要がある。