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米、北極海の油田掘削を認可

Posted May. 13, 2015 07:22,   

オバマ政府が、石油掘削の範囲を北極海まで認可し、シェールガス開発ブームに続き、エネルギー資源開発でも一歩進んだ。環境団体の反対にもかかわらず、エネルギー覇権を強化し、エネルギー自立度を100%に引き上げるというのが、オバマ政府の戦略だ。米国が北極石油を開発すれば、中東地域に対する石油依存度が下がって戦略的重要性が小さくなり、中国やロシアが浮上しても米国が優位を維持でき、米国の影響力を強化できる。このため、今回の措置は単に石油確保にとどまらず、今後の国際秩序における影響力にかかわる問題であり、注目される。

米内務省の海洋エネルギー管理局(BOEM)は11日、多国籍石油企業ロイヤル・ダッチ・シェルの北極海掘削計画を条件付きで認可したと明らかにした。シェルは早ければ今夏からアラスカ北西沿岸のチュクチ海などの最大6ヵ所で石油と天然ガスの掘削調査を行う計画だ。

2011年の米内務省の資料によると、近隣海域の地下に埋蔵された開発可能な原油は約220億バレルだと、ウォール・ストリート・ジャーナルが11日付で報じた。米国の1日の原油生産量900万バレルの2444倍の量だ。

北極海の石油掘削調査の認可は、オバマ大統領のエネルギー100%自立政策の一環とみえる。中東地域で紛争が発生しても、石油価格の急騰による経済への影響を抑える狙いがある。国際原油価格の下落によるロシア牽制という付随効果もある。また、中国が米国を追撃しているとしても、資源開発にともなう雇用創出などでスーパーパワーとしての優位を維持できるという計算もある。

シェルは2007年からチュクチ海の油田開発事業を推進してきたが、2012年末、掘削試験で原油流出防止のための「遮断ドーム(containment dome)」が毀損する事故が発生し、掘削調査が延期になった。環境団体は、開発によって事故が起こった場合、2010年にメキシコ湾で発生した油田流出事故よりも致命的な環境汚染がもたらされると反対している。2010年4月、ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)が、メキシコ湾沖合いに設置した石油掘削施設ディープウォーター・ホライズンが爆発し、作業員11人が死亡、3ヵ月間で400万バレル以上の原油が流出し、深刻な海洋汚染を引き起こした。

オバマ政府は、徹底した環境安全基準の作成・施行を通じて、予想される環境団体の油田開発反対に対応する計画だ。

これに先立ち、米内務省は今年1月27日、大西洋沿岸の50マイル(約80キロ)沖合いにある連邦管轄大陸棚(OCS=Outer Continental Shelf)で石油の採掘を認可する海洋掘削事業計画を発表した。大西洋沿岸は、2017年8月に終わる「大陸棚開発5ヵ年計画」から除外されており、メキシコ湾などで石油を採掘してきた米国が大西洋沿岸で開発を実施するのは初めてだ。



kyle@donga.com