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[社説]国会を非難する大統領府、ポピュリズムなのか政治力不足なのか

[社説]国会を非難する大統領府、ポピュリズムなのか政治力不足なのか

Posted May. 08, 2015 07:18,   

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金聲宇(キム・ソンウ)大統領府広報首席秘書官は7日、公務員年金改革案の処理が実現しなかったことを受け、定例会見で、「与野党が結局、国民との約束を守ることができず残念だ」と政界を批判した。遠回しな言い方だが、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の意向を含んでいると見なければならない。金秘書官の言葉を聞くと、大統領府がまるで政界を超越した位置で善悪を評価し、方向を提示する優越した存在という感じを受ける。

与野党は、大統領の指示によって動く下部実務機関ではない。大統領が与党であり、政界だ。与党と一体になって動き、案を作り、案を貫徹するための戦略を構想し、野党と国民を説得しなければならない。その過程で、自分の手足も同然の政府を積極的に活用しなければならない。

朴大統領は、公務員年金改革の正当性を強調して処理の期限を提示したものの、改革の成功に向けて公務員団体や野党、国民を説得し理解させるために誠意を尽くしたと見ることはできない。政府が、改革案交渉に積極性を見せないうえ、改革案の財政推計も交渉期限の締め切りが迫って出したため、客観的な検証ができなかったと指摘されている。与野党を非難する前に、大統領の政治力不足を認め、反省する姿勢が必要だ。改革案に「国民年金名目所得代替率50%引き上げ」が連係していることを大統領府が事前に知らなかったと言うが、騒ぐことではない。大統領府と与党が連携できていないことを天下に知らしめたも同然だ。

朴大統領は7日も、「政治と政界は、各党の有利・不利と政治的利害関係を離れ、ただ国民のための改革の道に進まなければならない」と強調した。政界の奮発を求めた言葉かも知れないが、聞き方によっては、「私は国民の側、政治と政界は別の側」と遠回しに表現したように思える。「成完鍾(ソン・ワンジョン)リスト」問題が起こった時、朴大統領は側近が大勢関わったにもかかわらず、まるで他人事のように不正腐敗根絶と政治改革だけを注文した。大統領府と大統領が政界を攻撃したからといって、威信が上がるわけでも問題が解決されるわけでもない。難局であればあるほど、大統領が率先して与党だけでなく野党を説得し、共感を広めてこそ、解決策を見出すことができる。