
韓国ウォンで18兆ウォン(約170億ドル)を超える個人資産を誇る国王の最後に道は素朴なものだった。23日に他界したサウジアラビアのアブドッラー・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王は、棺おけも無しに黄色に布でできた簡単な死に装束をまとったまま、平民たちが埋葬される共同墓地に埋葬された。墓碑も残さなかった。
サウジ王室は23日、簡単な葬儀の後、首都・リヤードのアルオード墓地に国王の遺体を埋葬した。この墓地は、一般人も利用するところだ。国王の葬儀の手続きや方式は全て、平凡に執り行われた。遺体の埋葬後、土を盛り上げて墓を作ることもせず、上に砂利だけを薄く敷いた。
国王の素朴な葬儀は、スンニ派イスラム原理主義「ワハビズム(Wahhabism)」の伝統によるものだ。
スンニ派指導者のムハンマド・ビン・アブドゥル・ワハブ(1703〜1792)が創始したワハビズムは、キリスト教のピューリタンのように、厳格な生活を強調している。サウジの初代王国イブンサウドの初代国王も、1932年、ワハビズムを基盤にサウジ王国を樹立した。
英ケンブリッジ大学イスラム専門家のトニー・ストリート教授は、ニューズウィークとのインタビューで、「サウジ王国の精神的根幹のワハビズムは、崇拝の対象になりうる全てのものを排斥するという意味だ」とし、「今回の国王を含め、先代の全ての国王が平民墓地に埋葬された。サウジでは、国王が死去しても哀悼期間を別途設けていない」と話した。
一方、アブドッラー国王を追悼するため、世界各国の指導者らがサウジに集まっている。インドを訪問中のバラク・オバマ米大統領は27日、世界的なインドの遺跡地のタージマハルへの訪問をキャンセルし、急きょサウジに向かう。チャールズ英皇太子や日本の徳仁皇太子、スペインのフェリペ6世国王も訪問する予定だ。韓国からは黄祐呂(ファン・ウヨ)社会副首相兼教育部長官を団長とする8人の弔問使節団が、25日から二日間、サウジに滞在して弔意を表す。






