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[社説]保育士が暴力を振るうのはこの保育所だけだろうか

[社説]保育士が暴力を振るうのはこの保育所だけだろうか

Posted January. 15, 2015 07:11,   

仁川(インチョン)の保育所で、保育士が4歳の子供に暴行する防犯カメラの映像を見た国民は、驚いて開いた口がふさがらなかった。保育士は、給食で出てきたキムチを残した理由で、この子供の頭を、手のひらで強く殴った。子供は、教室の床に転んだ。明白な児童虐待だ。

子供がいくら間違ったことをしても、保育士が暴力を振るってはならないことは常識だ。学校でも体罰が禁止されて久しい。映像では、被害を受けた子供は、保育士に殴られても泣くどころか、すぐに正座をして、自分が吐いた食べ物を拭いた。ほかの園児10数人は、恐怖に慄きながら、教室の片隅に跪いて、これを見守っていた。このような暴行が、一度や二度ではないという気がする理由だ。警察は追加捜査を通じて、この保育所でほかの暴行はなかったのか、くまなく明かさなければならない。暴力が常習的に行われ、園長が黙認したり、隠蔽しようとしていたなら、園長や該当保育士を、児童福祉法に基づいて厳重に処罰し、保育所は閉鎖させて当然だ。

保健福祉部と中央児童保護専門機関の報告書によると、2013年に確認された児童虐待の8.7%(591件)が、保育所や児童福祉施設などの児童養育施設の従事者らによって行われた。そのうち202件の加害者は、保育所の従事者だった。保育士の選抜や訓練課程に問題があったことを示している。無資格の性質の悪い保育士を淘汰させる仕組みが作られるべきだ。暴行事件が起きた保育所は昨年、韓国保育振興院の評価認定で95.6点の高い点数が付けられた。1日間の現場査察や書類点検中心の評価システムに穴があったという証拠だ。児童虐待や給食、通学安全を中心に評価システムを見直す必要がある。

ヌリ過程の導入で、国公立はもとより、民間保育所も、政府から保育料の支援を受けている。全国に税金で支援されている保育所は、4万4000ヵ所あまりもある。自分の子供が通っている保育所では、このような出来事がないか、保護者らは不安を覚えている。埋もれがちだった今回の暴行事件は、設置された防犯カメラを通じて、明るみに出た。保育士らは、防犯カメラの設置を自分たちへの人権侵害だと主張しているが、自分の意思表明がうまくできない子供たちの人権はどうすればよいのか。児童虐待を防ぐためには、保育所への防犯カメラ設置の義務化は避けられない。