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スキ・キム氏の「平壌の英語教師」、13日に出版

スキ・キム氏の「平壌の英語教師」、13日に出版

Posted January. 12, 2015 07:20,   

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「従北」論議を起こした在米同胞シン・ウンミ氏(54)の著書『在米同胞おばさん、北朝鮮に行く』が7日、文化体育観光部の優秀文学図書のリストから除外されたが、同書と対照的な在米同胞のスキ・キム氏(45)の本が13日に発売予定であり、話題になっている。

本のタイトルは『平壌(ピョンヤン)の英語教師』(ディオネ)。昨年10月に米国で出版された本の原題は『Without You,There Is No Us(あなたがいなければ私たちもいない)』で、金正日(キム・ジョンイル)総書記に忠誠を尽くそうという「あなたがいなければ祖国もない」という歌の歌詞から取った。

キム氏は13才の時に米国に渡り、コロンビア大学を卒業し、作家になった。宣教師を装って北朝鮮に行き、2011年7月から12月までの6ヵ月間、北朝鮮の平壌科学技術大学で270人の学生に英語を教えた。

キム氏は、「本を書いた切実で率直な理由」という韓国語版の序文で、「ほとんど知らされていない北朝鮮エリートの生活と断面を描いた。北朝鮮のことを伝え、北朝鮮を人間らしくすることが目的だ」と明らかにした。本を出す過程での困難についても語った。キム氏は、「ツイッターなどのソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)では、本を出すことで学生や教師を危険に陥れたと非難された」とし、「しかし、北朝鮮住民の苦しみを描き出すことがより重要だと信じ、本に出てきた学生たちが報復を受けないよう個人が特定されないよう曖昧に書いた」と説明した。

同書によると、平壌科学技術大学に通うエリートですら「世界のすべての人々が朝鮮語を使う」と思っていたり、北朝鮮当局の統制を受けない「インターネット」を経験したことがない学生もいる。たとえ知っていても、監視のために知らないふりをするという。学生たちがキム氏の授業内容や発言を監視するという内容もあった。特に、宣教師として来た教師たちの間で伝わる「注意事項」には、△ジーンズ禁止。金総書記がジーンズを米国と関連づけて嫌がる。△外で誰とも話をしないこと。△音楽はアイポッドで聞くこと。CDは拡散する恐れがある。△通信は常に盗聴される、といった内容が含まれていたという。これに対して著者は、「閉鎖恐怖を感じた」と語った。

キム氏が学生に民主主義を説明し、強制出国されるかと戦々恐々とする様子や、映画「ハリーポッター」を見せたくて許可を受け過程などがドキュメンタリーのように描かれている。本の最後には、金総書記が死去して当惑する学生たちの姿も描かれた。

最近の従北論議の中、同書が反響を呼ぶと出版社は期待している。通常の単行本の初版(2000部内外)より2倍以上多い5000部が刷られた。『在米同胞おばさん、北朝鮮に行く』が優秀文学図書から外された状況で、同書が選ばれて全国の図書館、青少年施設に普及するか、注目される。