Go to contents

[オピニオン]三つ子のカレンダー

Posted January. 05, 2015 07:17,   

한국어

大韓民国の女性の心を揺さぶる3人の男がいる。2012年3月生まれの三つ子の大韓(テハン)、民国(ミングク)、万歳(マンセ)、俳優・宋一国(ソン・イルグク)の3人息子だ。「三つ子」という異名で、KBS2の番組「スーパーマンが戻ってきた」に出演して、お茶の間の人気を独り占めしている。昨年末のKBS芸能大賞では、人気賞も受賞した。年が変っても、「大韓民国万歳への愛情」は変っていない。2015年1〜12月の卓上カレンダーを、この三つ子たちの写真で埋め尽くした「三つ子カレンダー」が、11億ウォン台の売上げを上げたという。1個当たりの価格は5500ウォン、20万個が売れたという。

◆カレンダーの写真とはいえ、よく目にする子供たちの写真とあまり変らない。韓服(韓国の伝統衣装)をまとった三つ子、湯船で遊んでいる三つ子、「食べ物」を食べている三つ子など。年賀状の代わりに知人に送るつもりで父親が作ったカレンダーだが、放送後、購入のお問い合わせが殺到した。すると、収益全額を寄付することを決め、昨年末、オンライン上で予約販売したところ、その反応は爆発的なものだった。

◆大人しい大韓、愛嬌たっぷりの民国、お茶目っ気一杯の万歳。それぞれ異なる魅力に嵌った人たちは、子供たちの言葉一つ、動作一つに熱狂する。そのおかげで、三つ子はスマートフォンやクレジットカード会社など、広告界のブルーチップモデルにも浮上した。子育ての負担で、子供1人を産むことすら難しい現実のなか、天真爛漫な三つ子と戯れながら、顔から幸せな笑みが絶たない芸能人の父親の日常がうらやましいのだろうか。家族崩壊の時代に、心温まる家族の日常を通じて、代理満足でも楽しみたいのだろうか。若者たちが、自分の子は産まないのに、他人の子供らに熱を上げることも、不思議な逆説だ。

◆宋一國は、「最初、三つ子が生まれた時、喜びは3倍、きつさは3乗だった。ところが最近は、かわいい言動を見ていると、今は、きつさは3倍、喜びは3乗になった。国にも最大の愛国だ」と話した。2013年、韓国人女性の合計出生率は1.19人、経済協力開発機構(OECD)加盟諸国の中でも最下位のレベルだ。宋氏家の三つ子が、一家の喜びを超えて、「さすが、子供はもうけるべきだ」という反応を呼び起して、少子化の克服にも貢献すれば、これ以上嬉しいことなどないのに。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com