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[社説]元世勲の大統領選介入、無理な起訴で国を揺るがした検察

[社説]元世勲の大統領選介入、無理な起訴で国を揺るがした検察

Posted September. 12, 2014 09:34,   

ソウル中央地裁は、元世勲(ウォン・セフン)元国家情報院(国情院)長の指示で行われた国情院心理戦団のインターネットのコメントやツイッターの活動が、国情院法の政治介入禁止義務に違反したとして、元氏に対して懲役2年6月、執行猶予4年を言い渡した。しかし、元氏の2012年の大統領選挙介入疑惑に対しては、無罪を宣告した。裁判所は、「国情院心理戦団の職員が『院長の指示』の示達によってサイバー活動をしたが、特定候補を支持しろとか選挙に介入しろといった指示はなかった」とし、国情院心理戦団の活動を公職選挙法違反と見ることはできないと判断した。

検察が元氏を大統領選挙介入疑惑で起訴したことで、大統領選挙の敗北勢力の選挙不服の動きが触発された。天主教正義具現司祭団などの野党の支持勢力は、露骨に大統領選挙不服を主張した。野党新政治民主連合は、党としては大統領選挙の不服とは距離を置いたが、文在寅(ムン・ジェイン)議員など親盧陣営では、「昨年の大統領選挙が非常に不公正に行われ、その恩恵を朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が受けた」と公然と主張する。

元氏の大統領選挙介入疑惑に対しては、検察から意見が交錯した。ユン・ソクヨル元国情院コメント特別捜査チーム長は選挙法の適用を主張したが、捜査指揮ラインにいたソウル中央地検のイ・ジンハン次長、鉠永昆(チョ・ヨンゴン)ソウル中央地検長は、選挙法の適用に反対した。この過程で、外圧・抗命論議が起こり、ユン元捜査チーム長が懲戒を受け、鉠元地検長が辞任する事態となった。1審の判決は、捜査チームよりも捜査指揮ラインの手を取ったのだ。検察の捜査チームは、無理な起訴で国を揺るがしたという非難は免れない。

今回の判決に先立ち、今年2月には、国情院コメント事件の捜査を縮小・隠蔽した疑いを受けたソウル地方警察庁の金用判(キム・ヨンパン)元長官が無罪を言い渡された。金元長官の起訴には、一線で捜査を担った権垠希(クォン・ウンヒ)元ソウル水西(スソ)警察署捜査課長の供述が影響を及ぼした。裁判所は、権元課長の供述が信憑性がないと判断した。無罪が出た2つの事件は、政治的に敏感な捜査を検察と警察が十分な証拠なく先入観を持って進めれば、どんな弊害を生むかということを示したという点で似ている。野党が1審に対して「政治的判決」と反発するのも性急だ。

元氏は、裁判所が国情院の政治介入疑惑を認めたことに対して、痛烈な反省をしなければならない。元氏が「院長の指示」という形式で心理戦団に紛らわしい指示を与えた結果、政治介入がなされた。結局、国情院は心理戦団自体を解体せざるを得なくなり、北朝鮮に対する正当な心理戦まで萎縮せざるを得なくなった。