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[社説]セウォル号の捜索と引き揚げ、政府は説得力ある案を示せ

[社説]セウォル号の捜索と引き揚げ、政府は説得力ある案を示せ

Posted September. 06, 2014 09:52,   

海洋水産部の金栄錫(キム・ヨンソク)次官が4日、「セウォル号行方不明者の捜索活動が限界に達した時、代案として引き揚げを考慮できると考え、技術的に検討している」と述べた。前提はついてはいるが、政府が初めて慎重に捜索中止の可能性を示唆したのだ。海洋水産部の李柱栄(イ・ジュヨン)長官は1日に、「船体の引き揚げは、水中の捜索が終わらなければならない」と言及したのが全てだった。微妙な違いだが、政府が捜索中止と引き揚げ作業の可能性を示唆した背景は何か。世論をうかがうためなら、責任ある政府の仕事の処理を目にすることは難しい。

セウォル号沈没事件から144日が経過し、294体の遺体が収拾された。まだ10人が行方不明のままで、7月18日以降、新たな遺体は発見されていない。孟骨(メンゴル)水道ではこれまでにダイバーがセウォル号のすべての部屋を何度も捜索したが、大部屋(SP1)の1つが、隔壁が崩れ落ちて積もった瓦礫を片づける作業のため、捜索が終わっていない空間として残っている。内装材が崩れ、気温も下がっているため、いつ捜索が終わるのか政府事故対策本部も予測できずにいる。

遺族としては、息子や娘が冷たい海中にいると思うと、捜索を止めることは難しいだろう。これまで捜索活動に投入されたダイバー2人と消防隊員5人など約10人が死亡した。今でも事故海域には海軍、海洋警察、民間人を含め100人余りが毎日、捜索活動を続けている。しかし、大部屋の捜索が終わっても行方不明者が残っている場合はどうするのかについては、海洋水産部も沈黙している。「海上における捜索及び救助に関する国際条約」(SAR条約)は、沈没した船舶の捜索期間を「生存者の救助について合理的な希望がなくなる時まで」と規定している。世界の海難史に類例のない捜索活動を終え、次の段階に移る時期を議論する時が近づいている。

引き揚げるのか、あるいはこの海域を水中墓とし、恒久的な記憶と災害防止のための追悼公園にするのか、政府と地方自治体、遺族と国民の意見を聞かなければならない。セウォル号の引き揚げには1年以上かかり、費用も少なくとも4千億から5千億ウォンと推算される。政府は、引き揚げ時の遺体確保の可能性があるかどうかについて専門家の意見を総合し、正確で説得力のある案を提示する必要がある。